研究課題/領域番号 |
08242106
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牧 正志 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026247)
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研究分担者 |
高山 善匡 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (60163325)
早川 元造 鳥取大学, 工学部, 教授 (69424512)
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
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キーワード | 超塑性 / ナノ組織 / 組織制御 / 2相微細組織 / 鉄合金 / アルミニウム合金 / 金属間化合物 / セラミックス |
研究概要 |
種々の材料を対象に、超塑性発現のための各材料に共通する普遍的な、および各材料固有の組織・構造因子を解明すると共に、各種材料のナノ組織制御の原理と方法の確立および超塑性変形の構造を明らかにすることを目的として行った。鉄合金を牧が、アネミニウム合金を高山が、金属間化合物を花田が、セラミックス材料を早川が担当した。得られた主な結果は以下のとおりである。 (1)超塑性を示す代表的な実用鋼である二相ステンレス鋼(Fe-26%Cr-8%Ni)及び軸受鋼(Fe-1.0%C-1.5% Cr)を対象に、従来にないより簡単な超塑性発現のための新しい組織制御法(熱処理法) を検討し、二相ステンレス鋼では熱延材の冷間圧延、超高炭素鋼では微細パ-ライト組織の二相域焼入れ、という単純な熱処理で0.5〜1μmの微細ニ相組織から得られ超塑性が発現することを明らかにした。 (2)アルミニウム合金の超塑性変形と液相の関係を明らかにするために、7475および5083A1合金について固相線温度付近での引張試験を行い、両合金の変形挙動を比較検討した結果、7475A1合金では固相線温度近傍で破断伸びがピーク値を示すのに対し、5083A1合金では固相線温度付近でほとんど延性を示さないことを見出し、両合金の超塑性変形機構の相違点を明らかにした。 (3)種々の金属間化合物の超塑性現象を体系化することを目的に、代表的な複相微細粒材料としてNb_3A1/Nbを、単相微細粒材料としてCo_3Tiを、単相粗大粒材料としてFe_3SiとFe_3A1を選んで超塑性挙動を調べ、微細粒超塑性はfcc規則構造を持つ金属間化合物で、粗大粒超塑性はbcc規則構造をもつ金属間化合物でのみ発現することを見出し、それぞれについての超塑性変形機構を明らかにした。 (4)ジルコニアセラミックス材料の超塑性発現のための最適の組織制御法について検討し、MA(メカニカルアロイング)法では乾式ボールミルによるMAが有効であること、液相焼結法では3Y-TZPに0.3mo1%のYCu02.5の添加が最も適当であることを明らかにした。
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