研究概要 |
6061合金と繊維状β-Si_3N_4の複合材料を取り上げ、以下の試料を調べた。 1。焼結材--390MPa, 1.2ks, 873Kでホットプレスで製作した試料. 2.押し出し材--焼結材を773Kで100 : 1のreduction ratioで押し出しで製作した試料. 3.引っ張り試験材--押し出し材を818K, 2x10^<-1>s^<-1>変形速度で600%変形した試料.以上の試料を分析電子顕微鏡および高分解能電子顕微鏡で調べた。 焼結材および押し出し材は、それぞれ、818K, 2x10^<-1>s^<-1>変形速度で75%および600&%の伸びを示した。それらの微細構造の結果は次のようになった。 1.焼結材は、マトリックスにMg_2Siの析出物が分布している。マトリックスとβ-Si_3N_4結晶との界面には反応が起こっていない。2.押し出し材のマトリックスにはMg_2Siの析出物がなくなっている。マトリックスとβ-Si_3N_4結晶との界面には反応が起こっている。MgとSiに富んだ反応相がβ-Si_3N_4結晶と結晶学的に決まった方位関係をもって現われている。また、反応相はファセットをもってマトリックスと接している。3.引っ張り試験材はマトリックスとβ-Si_3N_4結晶との激しい反応が見られ、押し出し材と同じ反応相が観察された。以上の観察結果から次のようなことが考えられる。1.押し出し変形中にマトリックスとβ-Si_3N_4結晶の界面にMgの偏析が生じ、それがひきがねとなりβ-Si_3N_4結晶との反応が起こり、界面にMgとSiに富んだ固溶体が現われる。その固溶体は融点が低く、界面に部分的に液体状態が現われる。冷える段階で、それらの液相から、反応相がβ-Si_3N_4結晶とエピタキシャルの関係をもって成長し、最終的に、マトリックスとファセットをとって固まる。2.界面に現われた融点の低いMgとSiに富んだ反応相は、引っ張り試験温度(818K)で液状化し、600%の高い高速超塑性の原因となっている。
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