研究課題/領域番号 |
08242217
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
齊藤 好弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029101)
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研究分担者 |
辻 伸泰 大阪大学, 工学部, 助手 (30263213)
左海 哲夫 大阪大学, 工学部, 講師 (80029298)
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キーワード | 超塑性 / 溶湯直接圧延法 / 粉末シース圧延法 / 加工熱処理 / 組織制御 / Al-Cu合金 / 偏析 / 動的再結晶 |
研究概要 |
溶湯直接圧延法および粉末シース圧延法によるAl-Cu超塑性合金薄板の製造を試み、得られた材料の高温引張試験を行って超塑性能を評価した。 溶湯直接圧延法により、Al-4〜20%Cu合金の良好な薄板を溶融状態から直接製造することに成功した。Cu量が増して材料がより脆性的になるにつれ、圧延可能範囲が狭くなることが明らかとなった。直接圧延板中のCu分布は板厚方向に不均一で、板表面ほどCu量の多い極端な逆偏析が認められた。直接圧延板は、大きな塑性加工を受け回復状態にあるマトリクス中にAl_2Cu相が微細に分散した組織を示した。直接圧延板はいずれも100%以上の大きな高温伸びを示し、特にAl-20%Cu合金は中間的なひずみ速度で最大350%もの超塑性伸びを示した。直接圧延まではサブグレイン組織を示すマトリクスが、高温引張中に動的再結晶により大傾角化することが、組織観察より示唆された。以上の結果は、溶湯直接圧延法を用いることにより、一切の付加的な加工熱処理を必要とせず、超塑性材料を溶融金属から直接作り込むことが可能であることを示している。 共晶組成になるよう混合されたAl粉とCu粉を粉末シース圧延法により固化成形することに成功した。しかし、粉末境界間には種々の金属間化合物が生成し、冷延・焼鈍の繰り返しにより幾分改善されるとはいえ、得られた材料は最大8%程度の高温伸びしか示さなかった。すなわち、この方法の場合、中間相を生成するような系への適用は困難であることが明らかとなった。
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