研究課題/領域番号 |
08243201
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小平 紘平 北海道大学, 工学部, 教授 (60002002)
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研究分担者 |
樋口 幹雄 北海道大学, 工学部, 助手 (40198990)
高橋 順一 北海道大学, 工学部, 助教授 (40110259)
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キーワード | 傾斜機能 / セラミックフィルター / コ-ジェライト / ムライト / スプレー法 |
研究概要 |
次世代の高効率複合発電のひとつとして、高温の燃焼ガスを用いて直接タービンを回すシステムが検討されている。このシステムにおいては、高温の燃焼ガス中の含まれている微粒子をきわめて高い効率で捕捉するためのフィルターが不可欠である。このフィルター材に対しては厳しい高温特性が要求され、現存する耐熱性材料の中ではコ-ジェライトセラミックスが最適と考えられている。しかしながら、耐久性に乏しく、まだ信頼性の高いフィルターは得られていない。本研究では、高強度化とより高温での使用が可能なフィルターとして、コ-ジェライトームライト傾斜機能材料の作製を目的とした。またこの場合、高温フィルターとして基本的に具備すべき優れた耐熱衝撃抵抗特性を低下させないように、ポア構造の傾斜化も必要である。これらの目的に対して、本研究では新たにスプレー法による作製を試みた。まず、採用したノズルのスプレーパターンを調べ、最適なスプレー距離、スプレー圧力等の条件を明確にした。スプレー用原料としては、シリカゾルとアルミナゾルをベースにして調製した混合ゾルと、それらのゾルを一度仮焼後粉砕・分散して調製した二種類の懸濁液を用いた。本年度はそれぞれコ-ジェライトとムライト組成を有する懸濁液を、別々のノズルからムライト基板上に噴霧する複スプレー法により傾斜層の形成を行った。まだスプレープロセスによる作製法を確立するまでには至っていないが、焼成体(1450°C12時間)のXRD分析の結果、混合ゾルを用いることにより、組成傾斜層が得られることが明らかになった。ただし、乾燥時の収縮・変形が大きな問題として残されており、今後さらにノズルの選択、最適な懸濁液の調製、またより実際的な材料を作製するためのフィルター全体の構造について検討を行う。
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