研究課題/領域番号 |
08243215
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
友田 陽 茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)
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研究分担者 |
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 助手 (70261740)
太田 弘道 茨城大学, 工学部, 助教授 (70168946)
辻本 得蔵 茨城大学, 工学部, 教授 (40250980)
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キーワード | 金属間化合物 / 耐酸化性 / 熱応力 |
研究概要 |
チタン合金は高温における使用限度は約600℃である。これは高温強度ではなく耐酸化性に起因する限界である。耐酸化性の改善はチタン合金の利用範囲をさらに広げると思われる。そこで本研究ではチタンの表面にAl_3Tiを形成させた。Al3Tiは耐酸化性に優れた金属間化合物である。熱応力の集中を避けるためにチタンとAl_3Tiの界面が傾斜化できる条件を模索した。また、被覆層の特性向上を狙いとしてクロムの拡散浸透を試みた。 純度99.8%のチタンにアルミニウムまたはクロム拡散浸透処理を施した。処理方法は拡散させる元素、処理剤のNH_4Cl、および焼結防止剤のAl_2O_3の混合粉末を用いる粉末パック法を採用した。複合処理を行う場合にはクロム拡散浸透処理後にアルミニウム拡散浸透処理を施した。処理条件はそれぞれ別に定めた。 本研究により以下の結論を得た。(1)粉末パック法により700〜900℃でチタンにアルミニウム拡散浸透処理を施すことにより、表面にAl_3Tiを形成させることができる。(2)処理温度を800℃または900℃とすることにより、Ti/Al_3Ti界面を熱応力緩和に有利な凸凹の激しい界面にすることができる。(3)アルミニウム拡散浸透処理を700℃で施した後に800℃以上で焼鈍することで、クラックの少ない表面層を有するTi/Al_3Ti傾斜材を作製することができる。(4)クロム拡散浸透処理を1100℃または1200℃で施すことにより、チタン内部にクロムを浸透させることに成功した。(5)アルミニウム拡散浸透処理とクロム拡散浸透処理の複合処理は、Al_3Tiとチタンの間に形成される中間相の成長を抑制する効果があると考えられる。
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