研究課題/領域番号 |
08245240
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
南 亨 九州工業大学, 工学部, 教授 (10029134)
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研究分担者 |
岡内 辰夫 九州工業大学, 工学部, 助手 (60274552)
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キーワード | ビニルホスホナ-ト / Nazarov環化反応 / 縮環テルペン類 / ヘキサフルオロイソプロピルアルコール / Wittig-Horner反応 / トリメチルシリルトリフラート |
研究概要 |
本研究により、シクロペンテンカルボニルビニルホスホナ-トのNazarov環化反応を用い、合成化学的に有用なリン酸官能基を配し位置特異的に2重結合を有する縮環五員環骨格の高収率合成法の確立に成功した。本Nazarov環化反応の一般化と得られたジキナン化合物を用いてWittig-Horner反応などによる縮環テルペン類の合成の検討を行った。 まず、ジクロロメタン中種々のプロトン酸、ルイス酸を触媒に用いてシクロペンテンカルボニルホスホナ-トのNazarov反応について検討を行った。 その結果、Nazarov反応は進行するにもかかわらず、50%以下の収率でしか生成物を得ることはできなかった。そこで、より収率を向上させる目的で反応の中間に生成するカチオン種を安定化させる性質を持つヘキサフルオロイソプロピルアルコール(HFIP)を溶媒として同様の検討を行ってみた。 その結果、興味深いことにジクロロメタン中では全くNazarov環化体を得ることができなかったトリメチルシリルトリフラートをルイス酸触媒として用いた場合に80%以上の収率でジキナン化合物が得られることを見い出した。このことから、HFIPがカチオン中間体を安定化することでNazarov反応を飛躍的に促進していることがわかった。また、本反応では2重結合をホスホノ基の反対側に持つ生成物のみが選択的に得られることを見い出した。本反応は環サイズの異なる種々のシクロアルケンカルボニルビニルホスホナ-トに対しても適用できることが判明した。 得られたジキナン化合物のリン酸基を活用するWittig-Horner反応により、官能基の導入が可能である。この得られたジキナン化合物とジアセチルとのWittig-Horner反応の収率は現在十分に満足のゆく結果とは言えないため、収率向上を目指して検討を行っている。
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