シーケンシャル高分子

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08246102
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
• 研究分担者: 澤本 光男 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90150325) ; 北山 辰樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60135671) ; 鈴木 将人 東京工業大学, 工学部, 助教授 (20179253) ; 相田 卓三 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00167769)
• キーワード: 立体特異性リビング重合 / 立体規則性ブロックポリマー / ABCトリブロック共重合体 / グラフト共重合体 / 両親媒性シーケンシャル高分子 / メゾポーラスゼオライト / 末端反応性ポリマー / リビング配位重合

研究概要

(1)アニオン開始剤にLewis酸として有機アルミニウム、ジアルキル亜鉛、およびトリアルキルボランを添加した新しい重合系では、厳密に分子量と分子量分布が制御された、ポリ(アクリル酸エステル類)およびポリ(アクリルアミド類)を比較的高い温度(0℃)で合成できること、また、ポリ(アクリルアミド類)については立体構造の制御も同時に可能であることを見いだした。同様の手法でMMAの立体規則性リビング重合をおこない、末端に水酸基を有するイソタクトおよびシンジオタクトPMMAを得、超臨界流体クロマトグラフィーにより均一ポリマーに分画し、トリカルボン酸トリクロリドおよびメタクリル酸クロリドと反応させて、均一星型ポリマーおよび均一マクロモノマーを合成した。
(2)種々の希土類塩とベンジルクロリドを組み合わせた開始系により、水中でもスチレン類のカチオン重合が進行し、分子量、分子量分布をある程度制御できることを見いだした。この重合系では希土類塩のルイス酸性により反応速度を制御できることも明らかになった。3官能カチオンリビング開始剤により、疎水性鎖と親水性鎖からなる星型シーケンシャル高分子を合成した。
(3)メゾポーラスゼオライトの空孔内でラクトン類の開環重合をおこなったところ分子量分布の狭いポリマーが得られ、これに他種のラクトンを反応させるとブロック共重合体が生成することから、リビング的に重合が進行していることを確認した。
(4)N-アレニルスルフィド、N-アレニルアミド、およびアレン酸エステルがNi錯体によりリビング配位重合すること、アレニルエーテル型マクロモノマーのリビング重合により分子量、組成、シーケンスの制御されたグラフト共重合体をワンポットで合成できることを見いだした。

研究成果

• [文献書誌] S.Nakaham, M.Kobayashi, T.Ishizone, A.Hirao: "POLYMERIZATION OF N,N-DIALKYLACRYLAMIDES WITH ANIONIC INITIATORS MODIFIED BY DIETHYLZINC" J.M.S.-PURE APPL.CHEM.,. A34,10. 1845-1855 (1997)
• [文献書誌] D.-L.Jiang, T.Aida: "Photoisomerization in dendrimers by harvesting of low-energy photons" Nature. 388. 454-456 (1997)
• [文献書誌] T.Iwamura, I.Tomita, M.Suzuki, T.Endo: "Synthesis and Radical POlymerization of Vinyl Monomer Having Sulfonylacylurea Moiety and Hydrolysis of the Obtained Polymer" J.Polym.Sci.PartA:Polym.Chem.000-000 (1998)
• [文献書誌] K.Hatada, T.Nishiura, T.Kitayama, S.Hirotani: "Preparation of A Uniform Poly (methyl methacrylate) Macromonomer and Its Polymerization" Macromol.Rapid Commun.,. 17. 37-43 (1997)
• [文献書誌] T.Hashimoto, H.Hasegawa, M.Sawamoto, et al: "Synthesis and SANS Characterization of Poly (vilyl methyl ether) -block-polystyrene" Macromolecules. 30,22. 6819-6825 (1997)