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1997 年度 実績報告書

キラル高分子

研究課題

研究課題/領域番号 08246103
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 成年  大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029875)

研究分担者 横田 和明  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30001217)
八島 栄次  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50191101)
中井 武  東京工業大学, 工学部, 教授 (90016717)
曽我 和雄  北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (10026180)
キーワード光学活性ポリマー / リビング重合 / らせんキラリティ / メタロセン触媒
研究概要

キラル高分子およびキラルモノマーの合成並びにその機能についての研究から下記の成果を得た。
(1)アセチレン架橋複核錯体を触媒に用いて、pーメントキシカルボニルフェニルイソシアニドの重合を行うと一方向のらせん構造を持つらせんキラルなポリイソシアニドが生成すること見出した。また、そのオリゴマー(重合度20-20)錯体がアキラルイソシアニドのらせん方向選択的重合に有効であることを見出した。
(2)光学活性モノマーの効率的不斉合成法の開発を指向して、(1)ビナフトール由来のキラルチタン錯体を触媒とする不斉アルデヒド/ジエチル亜鉛付加反応、(2)バイナップ由来のキラルパラジウム錯体を触媒とするエノールシリルエーテルの不斉プロトン化反応の2つの不斉触媒反応の開発に成功した。
(3)光学活性メタロセン触媒で得られたポリ(3-メチル-1-プテン)およびポリ(1-エイコセン)のミクロ構造を明らかにした。その結果、これらのポリマーの立体規則は低く、これを反映して、比旋光度が小さいことがわかった。そのような観点から、さらに高性能な光学活性触媒の開発をスタートした。
(4)高分子の連鎖がキラルになる最小の構造単位として、孤立二連子B-A-A-Bによるキラル発現を、環化共重合におけるポリマーの旋光度と孤立二連子の重量分率の相関から実証した。さらに、孤立四連子B-A-A-A-A-Bがキラルな主鎖の発現因子になる環化共重合系を見出した。
(5)ロジウム触媒を用いて重合して得た、側鎖に光学活性なアミノアルコール残基を有する立体規則性ポリ(フェニルアセチレン)誘導体が、光学活性な酸存在下、酸のキラリティーに応答してヘリックス-ヘリックス転移が起こり、そのCDスペクトルのパターンが大きく変化することを見いだした。光学活性体の絶対配置を予測する新規なプローブとしての利用が可能であると思われる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Fumie Takei: "Polymerization of Aryl Isocyanides by Cyclopentadienylnickelalkynyl Complexes." Journal of Organometallic Chemistry. (in press). (1998)

  • [文献書誌] Kiyotaka Onitsuka: "Synthesis of Transition Metal-poly(yne) polymer Possesing Chiral Acetylene Bridges." Chemical Communications. (in press). (1998)

  • [文献書誌] M.J.Schneider: "Influence of Propene Pressure on the Isotacticity of Polypropene Produced with Typical C1-Symmetric Metallocene and Ziegler-Natta Catalysts." Macromol.Chem.Phys.198. 2899-2904 (1997)

  • [文献書誌] Maki Mori: "Asymmetric Catalytic Alkylation of Aldehydes with Diethylzine Using a Chiral Binaphthol-Titanium Complex." Tetrahedron Lett.38. 6233-6236 (1997)

  • [文献書誌] Masaharu Sugiura: "A New Approach to Asymmetric Catalytic Protonation of Silyl Enol Ethers Using Chiral Palladium Complexes." Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.36. 2366-2368 (1997)

  • [文献書誌] Eiji Yashima: "Chirality Assignment of Amines and Amino Alcohols Based on Circular Dichroism Induced by Helix Formation of a Stereoregular Poly (4-carboxyphenylacetylene) through Acid-Base Complexation." J.Am.Chem.Soc.119. 6345-6359 (1997)

  • [文献書誌] Eiji Yashima: "Preparation of Polyacetylenes Bearing an Amino Group and Their Application to Chirality." Chirality. 9. 593-600 (1997)

  • [文献書誌] M.Obata: "Chirality Induction in Cyclopolymerization. 8. Cyclopolymerization of 1,2:5,6-di-isopropylidene-3,4-di-0-methacryloyl-D-mennitol with Styrene." Macromolecules. 30. 348-353 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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