研究分担者 |
津田 穣 千葉大学, 薬学部, 教授 (90009506)
塚田 捷 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011650)
勝本 信吾 東京大学物性研究所, 助教授 (10185829)
明楽 浩史 北海道大学, 工学部, 助教授 (20184129)
上田 正仁 広島大学, 工学部, 助教授 (70271070)
|
研究概要 |
本計画班は代表者と5人の分担者からなっており,デバイス実現の基礎となる素子の物理的性質を究めることを目標としている。 津田穣のグループは,単電子素子を作ることを想定して,ダングリングボンドを残したSi表面と水素によって飽和させたSi表面にA1原子を吸着させたときのそれぞれの場合について,安定な位置を求めることに成功した。 塚田捷のグループは,単電子デバイスをSTMチップによる原子操作によって作成することを想定して,Na表面と単針周辺における断熱ポテンシャルのマップを作成することに成功した。 勝本信吾のグループは,デバイスの単電子帯電効果の観測と電子波のコヒーレンスの関係を調べた。常伝導体ではクーロン振動とアハロノフボ-ム(AB)効果の両立を証明した。超伝導体については位相と粒子数の不確定性関係を量子ドットを含む閉回路での磁束の量子化などを示すことによ実験的に証明した。 明楽浩史のグループは,リ-ド線との静電的な相互作用を考慮して量子ドット中の電子状態を調べた。また,量子ドット中でのスピン反転が電子のコヒーレンスを壊すことをAB効果を計算することによって示した。 上田正仁のグループは,電子のトンネル素過程の解明を目指して振動電場中の電子の透過率の計算法を開発し,また,協同トンネル現象を含む高次のトンネル効果まで考えて,クーロンブロッケード現象の詳細な性質を解明した。 最後に代表者の川村のグループは,非対称な量子ドットの電流電圧特性の履歴現象を説明し,障壁内でのダイナミックスも考慮したトンネル効果のパラメータを決め,量子ドット中の電子状態の変化にともなう電流の緩和過程を調べ,クーロン相関を完全にいれた電子状態の計算を行いNTTグループの実験を説明し,2重ドットのスペクトルの解釈法を確立し,さらに,多数の量子ドットのネットワークの電流電圧特性を調べた。
|