研究分担者 |
野田 茂 鳥取大学, 工学部, 助教授 (80135532)
片山 恒雄 科学技術庁, 防災科学研究所, 所長
土岐 憲三 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (10027229)
清野 純史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00161597)
福和 伸夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20238520)
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研究概要 |
本研究では,社会基盤システムの震害を実時間で防止するために,地震発生直後から,地動観測データを用いて当該地域で予想される地震動の時空間特性を実時間で同定し,かつ実時間で震害の様相を把握しながら,それらを社会基盤システムの震害制御に役立てるシステムを構築した. 実時間制御システムにおいては,地理情報システム(GIS)の利用とデータの共有化が大きな課題である,本研究では,オブジェクト指向言語であるJAVAを用いて,インターネット上に地震防災GISを構築し,地震防災情報の即時公開を目指した.試作したプログラムは,アプレットを活用することにより,インターネット上で誰もがインタラクティブに用いることのできるシステムとした. 次に社会基盤システムの実時間制御には,被災状態についての的確な情報を迅速に収集することが肝要である.そのため,被害データ入力端末としての携帯(モーバイル)情報システムの利用について検討した.この携帯情報システムは,携帯電話やインターネットを介して実時間制御システムと繋がっており,現場での制御や復旧の情報も交換できるものである.また,地震発生後一日程度の時間で広域の被害把握を行うために,人工衛星や航空機によるリモートセンシングの利用についても実データに基づいた検討を行った. 以上の研究成果を総合し,中規模都市の水道システムや大都市圏の高速道路網などを対象として,地震実時間制御のプロトタイプ・プログラムを開発した.地域や社会環境の変化に応じてデータベースを変えれば,別の業者にも役立つようなロバスティックなものとなる.このプロトタイプを用いてケーススタディを行い,システムの有効性と課題をまとめた.
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