研究課題
大地震災害時には、住宅の倒壊に伴い、地域の消化能力を越えた都市広域火災が発生しやすい。この状況を予測するため都市火災伝播シミュレーションが行われているが、現行の予測モデルでは火災に関わる物理現象を大幅に簡易化した経験的モデルに基づいており、都市上空風の性状など、火災拡大に大きな影響を持つ要素が十分に反映されたモデルとなっていない。本研究では、火災時の都市上空風を気象情報と連成させたCFD(数値流体力学)によりシミュレーションし、実際現象により忠実な火災伝播シミュレーション手法を開発することを目的とする。本年度は、(1)CFDコードを用いて、広域環境の局地気象の数値シミュレーションを実行し、又それに併せた風洞実験結果と連成させることにより、都市火災伝搬のバックボーンとなる都市上空風データの作成を行った。(2)単体建物において火源を想定し、その燃焼過程並びに煙流動の数値シミュレーションを行い、火災の勢力範囲の同定を行った。(3)更に、放射伝熱を含めた火災の物理モデルや各種材料の燃焼モデルの開発を行った。
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