研究課題/領域番号 |
08248109
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
村上 處直 横浜国立大学, 工学研究科, 教授 (30210008)
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研究分担者 |
佐土原 聡 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (90178799)
室崎 益輝 神戸大学, 工学部, 教授 (90026261)
中埜 良昭 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (10212094)
村上 雅也 千葉大学, 工学部, 教授 (40009246)
岡田 恒男 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (40013122)
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キーワード | マクロゾーネイション / マクロゾーニング / マイクロゾーニング / 地域性 / 都市群評価 / GIS / シナリオ型被害想定 / 潜在的危険度 |
研究概要 |
本研究では昨年度の成果をもとに具体的な都市評価の手法の開発及び都市群評価を行った。 昨年度、マクロゾーネイションの概念を固めるとともに日本の都市群を評価するための3つの評価軸を作成した。1.都市のダメ-ジ、2.アクセスビリティー・サポートビリティー、3.都市回復力の3つである。本年度は地震発生以前から地震発生後にいたるまでの時間的なスケールの中でこれらの3つの軸を整理し、特にアクセスビリティー・サポートビリティーについての都市群評価を実施した。 アクセスビリティー・サポートビリティーでは地震発生後から約72時間の他都市からの緊急サポートを、都市間のアクセスを含めて評価するものである。この評価軸は陸上と海上の2つに着目し、対象都市のサポートされるべきニーズに対して、周辺都市からのサポートポテンシャルの大きさ、そのポテンシャルを生かすための信頼度を既存のデータを用いて評価した。陸上では周辺都市の規模、周辺都市とのロケーション、道路、橋梁を評価要素として用い、海上では重要港湾の船席数、周辺重要港湾、日常フェリー航路等を評価要素として用い評価した。陸上と海上によるサポートのバランスを日本全土で相対的に評価できる指標となるとともに、対象都市の都市規模を考慮することによってサポートされるべきニーズに対しての現存のポテンシャルを相対的に把握することができ、国家的対策の指針を促す指標となり、ミクロな都市内への対策につながるものとなっている。選択した都市の中でも阪神・淡路大震災によって甚大な被害を受けた神戸市は、比較的良好な都市として評価され、東京都等関東圏の大都市は、この評価軸における脆弱性が高いという結果が出た。今年度は1つの評価軸についての具体的な都市群評価と、マクロ的な評価の重要性、そのプロセス及び手法の開発という本研究の方向性を固めた成果となっている。
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