研究分担者 |
小林 潔司 京都大学, 工学研究科, 教授 (50115846)
川上 英二 埼玉大学, 工学部, 教授 (50125887)
高田 至郎 神戸大学, 工学部, 教授 (40027280)
家田 仁 東京大学, 工学系研究科, 教授 (90168089)
若林 拓史 名城大学, 都市情報学部, 教授 (00135542)
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研究概要 |
研究最終年度である今年度は以下の研究を行った. 1.交通システムの崩壊に伴う社会的影響および生活支障の分析に関して,ネットワーク形状から見た特性と被害の要因と分布,被害復旧過程,迂回交通や代替交通の状況などが震後対応に及ぼした影響を比較検討した. 2.ネットワーク信頼性解析では,ネットワーク形状と機能被害との分析を継続するとともに,地震時の避難,緊急輸送の観点から道路網のネットワークの形状,容量に関する分析を行った. 3.災害時の交通システムについては,緊急ルート決定手法のモデル化を試みた. 4.通信システムに関しては,地震後の応急給水を対象として,情報伝達・通信システムの課題について検討した.家屋,水道配水管,ガス等,通信管の被災状況をGISを用いてオーバーレイすると共に,ハードな地震災害が情報伝達・通信手段にどのような影響を及ぼしたのかを分析した.また,地震動,地盤条件と通信設備被害の分析を行うとともに,災害時の通信需要の変化や通信サービスの被害についても分析した. 5.防災投資の便益分析では,社会的集団のリスク管理の目標として,カタストロフ(生起する被害額)最小化を追求することが最も現実的な対応であることを論じ,構造物の耐震基準についての検討を行った. 6.街路の耐震性評価については,災害及び防災投資に関わる交通ネットワークの社会経済的影響評価のため,耐震による追加投資費用・被害軽減便益及び地震発生確率を判断材料とした経済分析を行った.また,地震被害に関する認識調査から計測を行う.さらに,交通ネットワーク形状を考慮することにより,施設単体でなくそれらをとりまく系としての耐震性能ランクの検討を行った. 7.4年間の成果をシンポジウム,学会等で発表するとともに,最終的な研究報告書をまとめた.
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