研究課題/領域番号 |
08248208
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50126471)
|
研究分担者 |
竹内 美次 農林水産省, 森林総合研究所地滑り研究室, 室長
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (30272511)
|
キーワード | 斜面崩壊 / 崩壊速度 / 動的塑性変形 / 変形の局所化 / 粒状体 |
研究概要 |
堆積過程や節理に沿った風化などの影響で砂礫分が多く含まれる斜面は、地震時に急激に崩壊し、これが多大な被害に繋がることが多い。本研究では崩壊速度の大きい粒状体斜面の崩壊過程を重点的な検討課題の一つに据えて研究を進めた。この研究を進める上で、粒状体斜面模型の内部の動的塑性変形過程の観測を、研究代表者によって開発された独自の可視化手法Laser-Aided Tomography(LAT)で実施するとともに、多角形要素を用いた個別要素法(DEM)で、粒子間相互作用を考慮した斜面の崩壊過程を検討した。これらの手法は、従来、直接的な観測や解析の困難であった変形の局所化およびその後の破壊の進展過程を可視化し、定量化された情報をもとに踏み込んだ検討を行うことを可能にした。これまでの一連の研究で、粗粒を含む破壊面がピーク強度を越えて発達する過程の正確な情報が得られ、さらにこれらの知見から斜面の大変形を支配する地震動のパラメータが明確になりつつある。これらの成果を踏まえ破壊にいたるまでに斜面が吸収するエネルギー、また破壊後の滑り量を合理的に評価する手法についての提案を報告書にまとめる。報告書の後半ではさらに斜面がブロックとしてではなく、全体的な強度低下で大きく変形する場合も含んだ状況の実験、および大変形解析にふれ、このような場合の耐地震設計、対策に関する課題をまとめている。
|