研究課題/領域番号 |
08249106
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
北川 禎三 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40029955)
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研究分担者 |
茂木 立志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90219965)
堀 洋 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20127294)
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
吉川 信也 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40068119)
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キーワード | チトクロム酸化酵素 / 電子伝達 / プロトンポンプ / 末端酸化酵素 / 生体エネルギー変換 / 金属タンパク質 / 共鳴ラマン / 光合成反応中心タンパク複合体 |
研究概要 |
生物の呼吸と植物の光合成系におけるエネルギー変換に焦点を合わせ、呼吸系では末端酸化酵素の構造と機能、光合成系はキノンによる電子-プロトンカップリング機構の解明を具体的課題とした。ウシ心筋チトクロム酸化酵素のX線結晶解析を進め、酸化形にはFe-O-O-Cu架橋のあることをつきとめた。またCO結合形及び完全還元型の構造解析に向かった。本酵素の時間分解共鳴ラマン分光の実験においては、6本の酸素同位体鋭敏バンドを観測し、^<16>O^<18>Oを用いた実験より最初の中間体はエンドオン型のFe-O_2体、次の3種はO原子の結合したもの、最後がFe-OH体で、Fe^V→Fe^<IV>の段階で軽水と重水で反応速度が大幅に違うことを見つけた。遺伝子操作と大量調整の容易な大腸菌キノール酸化酵素の研究を進め、チトクロムboの金属中心の構造を物理化学測定で決めると共に、遺伝子操作でアミノ酸を置換し、プロトン輸送や電子移動の反応素過程を高時間分解能で解析する実験を展開した。またキノール酸化部位についてユビキノン誘導体を系統的に合成し、チトクロムboに再構成して、キノン置換基の効果を調べた。蛋白質の金属中心と近傍アミノ酸残基との相互作用を電子レベルで解析するためのEPR法を活用した。特に酸化型ヘム蛋白質-NO複合体、シトクロムP450_<cam>-プチタレドキシン複合体、グアニル酸シクラーゼのEPR実験を班員との共同研究として実施した。このような生体エネルギー変換に関与する金属蛋白質の蛋白部分が金属部分をどのように制御して機能を発現しているかを理論的に明らかにするために、全電子に対して分子軌道を計算するプログラム密度汎関数法に基づいて製作し、解析手段にはグラフィカルユーザインターフェースを用いる統合環境を整備した。
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