研究課題/領域番号 |
08254212
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
嶋田 拓 広島大学, 理学部, 教授 (70011559)
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研究分担者 |
中坪 敬子 広島大学, 理学部, 助手 (40192760)
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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キーワード | ウニ / 発生 / 遺伝子転写 / アリールスルファターゼ / プロモーター / 転写因子 / Otx / 発現特異性 |
研究概要 |
本年度は、バフンウニ胚アリールスルファターゼ(Ars)遺伝子の発生時期特異的・組織特異的発現調節機構を明らかにする方向で研究を進めた。 (a)Ars遺伝子プロモーター領域の解析 Ars遺伝子プロモーター領域(-100bp〜+38bp)は転写の発生時期特異性を決めるが、TATAA配列上流27bpにあるCCTTGCATCA配列を塩基置換するとArs遺伝子の発現が著しく低下した。プロモーター領域の上流にはArs遺伝子の転写を促進する22bpのシスエレメントがあり、Ars遺伝子の発現と、20bpエレメントの転写活性化能が消失するので、この20bp配列に結合する因子はCCTTGCATCA配列結合因子を介して働くと思われる。 (b)転写調節因子HpOtxの解析 Ars遺伝子の第1イントロンにあるエンハンサー配列GGATTAに結合する転写調節因子、HpOtx_EとHpOtx_LのcDNAをクローン化した。HpOtx_E mRNAは母系情報で、孵化期以前のArs遺伝子転写を抑制し、HpOtx_Lは孵化期に出現してArs遺伝子の転写を促進する。これら2種のOtx mRNAは同じ遺伝子からalternative splicingによって作られる。 HpOtx_EcDNAとHpOtx_LcDNAのantisenseRNAをを用いて全載標品インシツハイブリダイゼーションしたところ、HpOtx_EmRNAは孵化前には胚の全細胞に存在するが、孵化後そのmRNAは胚の植物領域でのみ見出され、原腸期には囲胞胚腔領域にのみ検出され、プリズム期には消失した。これに対して、HpOtx_L mRNAは孵化期以前には全く検出されないが、孵化後、プリズム期まで間充織細胞を除く胚の全細胞で検出された。Ars遺伝子が全く発現しない原腸細胞にもHpOtx_L mRNAの強いシグナルが見出されるのでHpOtx_Lは内胚葉特異的は遺伝子の発現調節にも関わっていると考えられる。
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