研究課題/領域番号 |
08255102
|
研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
一ノ瀬 俊明 国立環境研究所, 地球環境研究センター, 研究員 (30231145)
|
研究分担者 |
飯田 哲也 (株)日本総合研究所, 技術情報部, 副主任研究員
松村 茂 東北芸術工科大学, 環境デザイン学部, 助教授 (80239079)
花木 啓祐 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00134015)
川原 博満 (株)富士通FIP, システム研究開発センター, 主任研究員
|
キーワード | 都市 / 進化 / エネルギー / 環境 / 経済 / モデル / アジア / 指標 |
研究概要 |
今年度は基本データの収集と平行して、州レベルでのデータ収集が終了した土地利用比率を対象とし、解析手法の開発を行った。対象地域は日本を含むアジアの20ヶ国であり、データの対象年次は1970年、1980年及び1990年(もしくはそれらの前後)の3時点である。土地利用変化のドライビングフォースとなりうる因子のうち、すべての地域でそろっていたのは人口密度のみである。また、被説明変数となる土地利用比率は農地率(水田・畑地・果樹園の和)、水田率、畑地率、林地率、牧畜地率、宅地率などである。それぞれ当該地域の陸地面積に占める対象土地利用種面積の割合である。 人口密度と農地率の関係によれば、インドをはじめとする南アジアにおいては、農地率は人口密度にほぼ比例して上昇しており、1970年以降その関係にはあまり変化が見られない。農地率の値が100%を超えているのは統計データの誤りと思われる。一方台湾及び韓国では、1970年時点でインドに類似の関係が見られるものの、時間の経過とともに人口密度の高い地域における農地率が低下し、プロットが垂れてくる。これら2つの地域の間では経済的発展のステージが異なり、増加する人口を養うためその増加に対応して農地を増やす国と、食糧生産を他の地域に依存し、農地を減らして農業以外の産業にシフトする国(都市化を含む)という相違があるように思われる。実際台湾で1点1点の動きを追ってみると、人口密度で500人/km^2を超えるあたりから農地率の減少が見られる。このような構造転換(take off)の有無が人口密度と農地率の関係に見出せる。
|