研究課題/領域番号 |
08255220
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
荒木 肇 新潟大学, 農学部, 助教授 (30183148)
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研究分担者 |
野中 昌法 新潟大学, 農学部, 助教授 (70198604)
中野 和弘 新潟大学, 農学部, 助教授 (70188994)
福山 利範 新潟大学, 農学部, 助教授 (80100949)
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キーワード | グランドカバー / ヘアリ-ベッチ / コムギ / 地温 / 土壌水分 / 窒素無機化 |
研究概要 |
1995年7月にヘアリ-ベッチ(マメ科牧草)とコムギ(品種マルチムギ)を5kg/10a播種して、1996年春季に再生、又は出穂した後、1996年6月に刈り倒してグランドカバー環境(オ-ガニックマルチで被覆された圃場)を形成させた。これらのオ-ガニックマルチ下における土壌環境を経時的に測定し、作物の収量性について調査した。 地温に関して、オ-ガニックマルチ下では無被覆圃場に比べ、日較差が小さい傾向が認められた。また、オ-ガニックマルチ下では盛夏は冷却、晩秋には保温により、無被覆圃場に比べて地温を根の生長適温に近づけ、安定させる効果が認められた。 土壌水分について無被覆圃場では降雨後急激に土壌の乾燥が進行してpF値が上昇したが、オ-ガニックマルチ下ではpF値の上昇は極めて緩慢で、保水性が認められた。 土壌中での窒素無機化は無被覆土壌にくらべ、グランドカバー圃場では、その土壌より多量のNO3-Nが供給されたが、ヘアリ-ベッチとコムギマルチ下の土壌間で差は認められなかった。 オ-ガニックマルチで被覆した圃場では、無被覆圃場に比べて雑草発生を抑制し、特に約2cmの厚さのマルチを形成したヘアリ-ベッチ被覆では雑草量が減少した。 作物生育:ヘアリ-ベッチ被覆下で栽培した3種の野菜(サラダナ・エダマメ・トマト)は無被覆圃場に比べ、草丈や収量とも有意に高くなった。コムギ被覆下では雑草発生のためヘアリ-ベッチ被覆ほど増収効果は認められなかった。さらに、ヘアリ-ベッチは秋季より植物体を再生させており、グランドカバー環境を植物の自己再生能力により形成することが可能である。グランドカバーとしての適正草種の選抜および播種量が検討課題である。
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