山元で行える安価で簡便なコールクリーニングプロセスとしてカラム浮選方に注目し、カラム浮選成績と石炭の表面物性評価法であるフィルム浮選成績との相関関係を検討している。フィルム浮選成績に応じたカラム浮選プロセスの装置設計や操作指針が与えられれば、炭種に応じたカラム浮選プロセスの構築が可能となる。 前年度までに瀝青炭である大同炭、エンシャム炭およびイリノイ炭についてフィルム浮選成績とカラム浮選成績との比較を行い、疎水性強化剤であるケロシンの添加効果が炭種により大きく異り、フィルム浮選成績だけでカラム浮選成績を予測し得ないことを見出した。 今年度は無煙炭であるホンゲイ炭および山西炭について同様の実験的検討を行ったところ、炭種によりケロシン添加効果が大きく異るものの、フィルム浮選成績とカラム浮選成績は良好な一致をみた。これは無煙炭においては炭素質と鉱物質との単体分離性が良いこと、および無煙炭の炭素質は芳香族炭素を多く含んでいることによると思われるが、詳しい機構については今後の課題と考えている。
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