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1996 年度 実績報告書

環境汚染物質の除去を目的としたハロゲン化炭素水素代謝酵素の蛋白工学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08255247
研究機関東京薬科大学

研究代表者

高橋 健治  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (70011533)

研究分担者 小島 正樹  東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
井上 英史  東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (20184765)
キーワードハロゲン化炭化水素 / 脱ハロゲン化 / グルタチオンS-トランスフェラーゼ / 蛋白工学 / 部位特異的変異 / X線結晶構造解析 / 活性部位残基 / 環境汚染物質
研究概要

1.本研究の一環として、大腸菌グルタチオンS-トランスフェラーゼ(以下GST)の三次元構造をX線結晶構造解析により明らかにした。この結果、全体的な構造、構造形成やグルタチオン(GSH)の結合に関与すると考えられる残基は他生物種由来のGSTと共通性があることから、同一の起源から進化した酵素であることが示された。
2.α,μ,πおよびσクラスGSTで触媒機構に関与することが明らかにされているTyr残基は、一次,二次構造的には大腸菌GSTにも保存されているが、立体構造的には触媒機構に関与し難い方向を向いており、本申請者が部位特異的変異により示したこのTry残基が活性発現に関与しないという推定が支持された。また、最近昆虫由来GSTの触媒残基の一つとして提唱されているSer残基も大腸菌GSTでは一次構造上保存されてはいるものの、部位特異的変異(Ser→Ala)では活性発現に関係しない結果を得、立体構造的にも支持される結果が得られた。一方、部位特異的変異により、His106の側鎖の重要性が示唆された。X線構造解析の結果を合わせると、His106の側鎖とCys10の主鎖のN原子がGSHのチオール基の近傍に位置し、触媒機構に関与する可能性が考えられる。したがって、GSTファミリーは活性部位の構造から少くとも3つのグループに分類される可能性が示唆された。
πクラスGSTの基質特異性に関与する構造を明らかにするために、部位特異的変異およびキメラ酵素の作製による検討を行った。この結果、ラットGSTP1-1のGly104をIleに置換することにより、1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼンに対する活性を高めることができた。この残基はすでに推定した161位残基とともに104位残基が1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼンの結合に関与することを示唆している。
4.GSTの機能変換を高速進化法により行う実験系確立のために、大腸菌GST遺伝子をクロラムフェニコール耐性遺伝子と置換する研究を進めた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Motohiko Nishida: "Crystallization and X-Ray Diffraction Studies of Glutathione S-Transferase from Escherichia coli" Journal of Crystal Growth. 168. 284-287 (1996)

  • [文献書誌] 井上英史: "グルタチオンS-トランスフェラーゼの立体構造と分子多様性" ファルマシア. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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