研究課題/領域番号 |
08258210
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗原 裕基 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20221947)
|
研究分担者 |
新藤 隆行 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
森田 啓行 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
栗原 由紀子 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
前村 浩二 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90282649)
|
キーワード | エンドセリン-1 / ジーンターゲティング / 心血管発生 / 先天性心疾患 / 神経堤細胞 / 転写因子 / 細胞分化 / 血管平滑筋細胞 |
研究概要 |
平成7年度の研究において、研究代表者らが既に樹立したエンドセリン-1(ET-1)欠損マウスのホモ接合体が胎生期の鰓弓・心血管系の形態形成に異常をきたすことからの発展的研究として、次の点について大きな進展がみられた。 1.形態形成に関する研究では、ET-1遺伝子欠損マウス胎仔の各種形態形成関連遺伝子のin situ hybridizationによりET-1の下流に新しいbHLH遺伝子dHAND,eHANDが位置づけられ、神経堤細胞の分化増殖においてET-1-HAND経路が重要な役割を果たすことを明らかにした。 2.形態異常の起源である神経堤細胞の初代培養で、ET-1がその分化増殖に重要であることを明らかにした。この系を用いて、in vitroでの神経堤細胞から血管平滑筋細胞などへの分化誘導機構の解明を試みている。 3.これらの知見とET-1欠損マウスの詳細な解析から、鰓弓や心血管系の形成に主要な役割を示す神経堤細胞の発生分化機構において、ET-1が形態形成に重要な上皮-間葉相互作用の介在因子として働いている可能性が明らかにされ、そのメカニズムの解明も大きく前進した。さらに、ホモ接合体の表現型とCATCH22などの先天性疾患との類似性から、本研究がこれらの疾患の原因遺伝子解明や新しい治療法の開発への手掛かりとなる可能性が示唆された。
|