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1996 年度 実績報告書

膜細胞骨格蛋白質異常に基づく心筋細胞機能失調の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08258227
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

重川 宗一  国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)

研究分担者 吉田 智一  国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 流動研究員
花田 裕典  国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (60228509)
岩田 裕子  国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (80171908)
キーワード心筋症 / 心筋症ハムスター / ジストロフィン / ジストロフィン結合糖蛋白質 / 細胞骨格
研究概要

遺伝性心筋症ハムスター(BIO14.6strain)心筋では、細胞骨格系の蛋白質dystrophin(Dys)とその結合蛋白質群(DAP)との複合体が正常に形成されておらず、筋肉細胞特異的なDAPであるα-、β-、γ-、及びδ-sarcoglycan(SG)が著しく減少又は消失していた。心筋症ハムスター心筋におけるα-、β-、γ-SGのmRNAの発現量や翻訳領域のcDNA配列はともに正常であったが、δ-SGのmRNAが発現しておらずこの蛋白質の遺伝子に異常が存在する可能性が考えられた。次に、SGの機能の検討やDys複合体形成に重要な役割を果たす蛋白質の検索などを行うため、心筋と類似したDys複合体を発現する骨格筋株細胞を選び、SGに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS-ODN)を導入してSGを欠損させた細胞モデル実験系を構築した。α-、γ-SGを欠損させた骨格筋株細胞では、細胞接着能の低下が観察されたので、SGと細胞接着との関連を検討したところ、Dys系と細胞接着に関わるintegrin系に密接な相互作用が存在することが明らかになった。すなわち、正常な細胞可溶化物からは、DysまたはSGに対する抗体によってDys複合体と共にintegrinとその結合蛋白質群が共沈澱したが、α-、及びγ-SGを欠損させた細胞においては、これらの蛋白質は免疫沈降物から40〜60%失われた。一方、細胞接着にともなって、α-、γ-SGのチロジン残基のリン酸化が観察された。これらの細胞で得られた結果は、Dys系がSGを介してintegrin系と情報伝達を行うことを強く示唆する。現在、ディファレンシャル・ディスプレイ法などを用いて、SGを欠損させた細胞で特異的に発現が変化する蛋白質のmRNAを選択し同定する試みを行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Iwata,Y.et al.: "Dystrophin-glycoprotein complex purifird form hamster cardiac muscle. Comparison of the complex from cardiac and skeletal muscles of hamster and rabbit." J.Mol.Cell.Cardiol. 28. 2501-2509 (1996)

  • [文献書誌] Yoshida,T.et al.: "Expression of dystrophin-sarcoglycan complex in serum-deprived BC3H1 cells and involvement of α-sarcoglycan in substrate attachment" Biochem.Biophys.Res.Commu.225. 11-15 (1996)

  • [文献書誌] Hanada,H.et al: "mRNA expression and cDNA sequence of β- and γ-sarcoglycans are normal in cardiomyopathic hamster heart." Biol.Pharma.Bull. 20. 134-137 (1997)

  • [文献書誌] 岩田裕子: "心筋症ハムスターBIO14.6におけるAdhalin(50kDa dystrophin 結合タンパク質)の異常の検討" 心筋の構造と代謝. 18. 347-354 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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