研究課題/領域番号 |
08260215
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
黒田 真也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (50273850)
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研究分担者 |
白川 昌宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (00202119)
貝淵 弘三 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00169377)
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キーワード | 低分子量G蛋白質 / Rho kinase / coiled coil / 細胞骨格 / PDZドメイン / 細胞接着 |
研究概要 |
低分子量G蛋白質のRasはその標的蛋白質Rafを直接活性化して種々の遺伝子の発現を制御している。Rasの標的蛋白質として現在までにPI-3kinaseとRal GDSが同定されている。私共はRasの新規標的蛋白質としてAF-6を見出した。AF-6は細胞骨格と相互作用すると考えられているPDZドメインをもつ蛋白質である。RasはAF-6のN末端200アミノ酸に結合することを見出した。私共はAF-6が細胞間接着部位のタイトジャンクションに濃縮され、タイトジャンクション構成蛋白質であるOccludinとZO-1に直接結合することも見出した。一方、低分子量G蛋白質Rhoは細胞骨格を制御することが知られていたがその標的蛋白質は不明であった。私共はRhoの標的蛋白質としてプロテインキナーゼN(PKN)、新規プロテインキナーゼ(Rhoキナーゼ)、ミオシンフォスファターゼのミオシン結合サブユニット(MBS)を同定した。RhoはPKNのN末端とMBSのC末端に直接結合することを見出した。これらの部位はともにベーシックなアミノ酸に続くロイシンジッパー様構造である。Rho kinaseのRho結合ドメインはRho kinaseの中央に位置するCoiled coilドメインのC末端部分であることを見出した。私共は、すでにRhoとRho kinaseのRho結合ドメインの大量発現系を開発し、現在それぞれの結晶化に成功しつつある。これにより、多彩な標的蛋白質をもつ低分子量G蛋白質Rhoのインターフェースが解明できるものと期待される。さらに、RhoファミリーのCdc42とRacの標的蛋白質としてIQGAPを同定し、IQGAPがカドヘリン・カテニンとなどの細胞間接着分子を介して細胞間接着を制御していることを見出しつつある。 以上本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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