研究課題/領域番号 |
08260220
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
谷口 寿章 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (10257636)
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研究分担者 |
林 宣宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (80267955)
千谷 晃一 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (60179942)
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キーワード | 情報伝達 / 一酸化窒素合成酵素 / カルモジュリン / リン脂質 |
研究概要 |
Cキナーゼの主要基質タンパク質であるMARCKSは、細胞外からの刺激に応じ、膜画分と細胞質画分間を移行することが知られている.またCキナーゼやホスホリパーゼC、一酸化窒素合成酵素(NOS)など、シグナル伝達系で重要な役割を果たしている多くのタンパク質も同様の現象を示す.我々はこの可逆性の膜結合機構を解明する過程で、MARCKSや同じファミリーに属するGAP-43がカルモジュリン結合部位でホスファチジルセリンなどの酸性リン脂質と特異的に結合し、その結合がリン酸化により可逆的に調節されることを見出し、さらに内皮細胞型のNOSにおいても、そのカルモジュリン結合部位が、酸性リン脂質の結合部位となっていることを明らかにした.本年度は内皮細胞型のNOSのカルモジュリン結合部位の立体構造を円偏光二色性、及び核磁気共鳴により解析した.その結果、水溶液中ではこの部位は完全なαヘリックス構造ではないが、nasoent(未熟な)αヘリックス構造とも言うべき構造を取り、カルモジュリンや酸性リン脂質との結合によってαヘリックス構造が安定化されることが明らかとなった.また、このペプチドがCキナーゼによりリン酸化されるとαヘリックス構造を取り難くなり、この結果としてカルモジュリン、リン脂質との相互作用減少すると考えられた.さらに他の2つのNOSのアイソザイムにおいても同様の部位がリン脂質結合部位となっており、NOSの細胞内局在、及びその活性調節においてBAAモチーフが重要な役割を果していることを明らかに出来た.
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