• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

転写制御因子IRF-1,-2による造血幹細胞の分化・増殖制御及び白血病発症の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08261209
研究機関東京大学

研究代表者

田中 信之  東京大学, 医学部, 助教授 (80222115)

キーワードIRF-1 / p53 / 癌抑制因子 / 細胞周期制御 / CDK抑制因子p21 / アポトーシス / 白血病 / 遺伝子欠損マウス
研究概要

インターフェロン系の転写活性化因子IRF-1の機能解析から、IRF-1が癌抑制遺伝子として機能する事、アポトーシスの制御に重要である事を明らかにした。更に、IRF-1遺伝子が白血病・MDS(myelodysplastic syndrome)で頻繁に欠損のみられる染色体5q31.1にマップされ、多くの白血病・MDS症例でのIRF-1遺伝子の欠損・負活性化及びIRF-1遺伝子の発現異常を見い出し、IRF-1が白血病・MDS発症に関与している事が強く示唆された。そこで、IRF-1の癌化における役割、特に細胞周期の制御にどう関っているかを解析するため、IRF-1欠損胎児線維芽細胞(EF)のX線照射、抗癌剤投与によるDNA損傷時の細胞周期の変化を、野生型およびp53欠損EFと比較、検討を行つ結果、野生型EFではG1停止が認められたが、IRF-1欠損EFではp53欠損EFと同様に細胞周期の停止が認められなかった。更に、野生型EFとは対照的に、CDK2、CDK4活性はIRF-1、p53欠損EFでともに抑制されないことが判明し、IRF-1はCK1の発現制御に関与していると推測された。そこで現在知られている全てのCDK抑制因子の発現を検討した結果、p21の発現のみがIRF-1欠損EF及びp53欠損EFで低下しており、またDNA損傷による発現誘導も認められなかった。さらにp21のプロモーターにはp53結合部位の他、IRF結合部位に類似した配列が存在すること、p21遺伝子プロモーターがIRF-1及びp53によって協調的に活性化されることを見出した。この様な癌抑制機能をもつ転写活性化因子の協調作用を見出したことは始めてであり、現在造血系腫瘍の発生メカニズムについて検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tanaka,N.他: "Cooperation of the tumor suppressors IRF-1 and p53 in response to DNA damage." Nature. 382. 816-818 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi