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1996 年度 実績報告書

DNA腫瘍ウイルス蛋白による転写の変換

研究課題

研究課題/領域番号 08264105
研究種目

重点領域研究

研究機関東京工業大学

研究代表者

半田 宏  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (80107432)

研究分担者 池田 正明  東京医科歯科大学, 生体機能制御歯科学系, 講師 (20193211)
片岡 浩介  東京大学, 医科学研究所, 助手 (20262074)
横山 一成  理化学研究所, DNA開発銀行, 研究員 (80182707)
澤田 幸治  札幌医科大学, 医学部がん研究所, 助教授 (80111128)
石井 俊輔  理化学研究所, ライフサイエンス, 主任研究員 (00124785)
キーワード細胞がん化 / がんウイルスタンパク質 / 転写脱制御 / 細胞性転写因子 / コアクチベータ- / がん抑制遺伝子 / 細胞分化 / プロモーター
研究概要

本研究は、がんウイルスタンパク質による転写の脱制御が如何にして細胞をがん化させるかを解き明かすために、がんウイルスタンパク質の転写への影響を分子レベルで解明することを試みている。がんウイルスタンパク質と細胞性転写因子およびコアクチベータ-間の相互作用に関して、いくつかの新たな知見が得られた。(1)アデノウイルス(Ad)E1Aタンパク質と相互作用する転写因子ATF/CREBのコアクチベータ-として働く新規転写因子hMBF1cDNAをクローン化し、hMBF1の構造と機能を解析し、hMBFがTBPとATFの両者に結合し、その結合がATFの転写活性化に関与することを明らかにした。(2)CBPががん遺伝子c-Myb産物のコアクチベータ-として機能し、AdE1AがCBPに結合するとc-Mybによる転写活性化は阻害されることを見いだした。(3)AdE1Aとがん抑制遺伝子Rb産物との結合に関与するアミノ酸残基を同定し、ラットRbのp130とその機能調節に関与するp27cDNAをクローン化した。(4)胚性腫瘍細胞F9のAdE1Aによる分化誘導に関与する分化誘導因子がATF-2とp300であることを同定し、それらの結合に関与するドメインを決めた。(5)細胞分化の初期過程においてRbタンパク質がE2F活性抑制に関与することと、G1サイクリン依存性キナーゼが最終分化した心筋細胞の心肥大に関与することを示した。(6)SV40T抗原により発現誘導される細胞表面タンパク質MM3のゲノムDNAをクローン化し、エクソンとイントロンの構造を決定した。また、そのプロモーターを同定し、転写開始上流160bpがSV40によるがん化細胞での転写に必要であることを示した。(7)リンパ球抗原受容体に会合するチロシンキナーゼの基質HS1の作用機構を解明するために、HS1に結合する因子のcDNAをtwo hybrid法によりクローン化した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Wada,H.Hanada,et al.: "Copurification of casein kinase II with transcription factor ATF/E4TF3" Nucleic Acids Research. 24. 876-884 (1996)

  • [文献書誌] Y.Shiiro,H.Hanada,et al.: "Activation of the retinoblastoma gene expression by Bcl-3" Oncogene. 12. 1837-1845 (1996)

  • [文献書誌] H.Iba,H.Hanada,et al.: "Phosphorylation and high level expression of Fra-2 in V-src transformed cells:a pathway of activation of endogenous AP-1" Oncogene. (in press). (1997)

  • [文献書誌] K.Kataoka,et al.: "Transactivation activity of Maf nuclear oncorprotein is modulated by Jun,Fos and small Maf proteins" Oncogene. 12. 53-62 (1996)

  • [文献書誌] K.Yokoyama,et al.: "Binding of the THZif-1:a MAZ-like zinc-finger protein to the nuclease-hypersensitive element(NHE)in the promoter region of the c-myc protoogene" J.Biol.Chemistry. 271. 31322-31333 (1996)

  • [文献書誌] S.Ishii,et al.: "GBP as a transcriptional coactivator of c-Myb" Genes & Development. 10. 528-540 (1996)

  • [文献書誌] 半田 宏: "新遺伝子工学ハンドブック" 羊土社, 312 (1996)

  • [文献書誌] 山口 雄輝・半田 宏: "転写のしくみと疾患" 羊土社, 163 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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