研究課題/領域番号 |
08264108
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
樋野 興夫 財団法人癌研究會, 癌研究所・実験病理部, 部長 (90127910)
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研究分担者 |
小西 陽一 奈良県立医科大学, 教授 (00075061)
松山 睦司 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80073112)
白井 智之 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (60080066)
榎本 克彦 秋田大学, 医学部, 教授 (20151988)
芹川 忠夫 京都大学, 医学部, 教授 (30025655)
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キーワード | 遺伝性癌 / ラット発癌 / 腎癌 / 肝癌 / 前立腺癌 / 胸腺腫 / wilms腫瘍 / Canier Genetics |
研究概要 |
1.遺伝子腎癌ラット(Eker rat)の原因遺伝子(Tsc2)の同定と機能解析を行いTsc2遺伝子は癌抑制遺伝子であることを証明した(樋野)。2.ラット遺伝子連鎖地図の拡充、ラットーマウス-ヒト間の比較遺伝子地図の作成、およびラットゲノムマッピングに適用しうるマーカーの開発を行い、ラットを用いた発がん過程の遺伝解析が全染色体に亘って実施できるためのラットゲノムに関する基盤整備を行った(芹川)。3.Wilson遺伝子(銅輸送性ATPase)変異とは別に存在すると考えられているLECラットの肝癌感受性遺伝子のマッピングのための基礎実験を行い、発がん物質投与後形成される8-hydroxydeoxyguanosine(8-OHdG)の測定は肝癌感受性遺伝子解析のために有用な且つ迅速なassay法であることを示した(榎本)。4.ラット前立腺背側葉癌および精嚢癌においてはアンドロゲン受容体タンパクの発現が欠如していること、さらに背側葉浸潤癌より樹立された3つの細胞株は、いずれもアンドロゲン非依存性で、高率に肺転移を来たすことが判明した(白井)。5.BNU/Mna系ラットにおける胸腺腫発生感受性遺伝子Tsr-1はラット第7染色体上のマーカー、D7Cep1の近傍に局在することを明らかにした(松山)。6.新しいWilms腫瘍遺伝子の探索の為に経胎盤N-ethyl-N-nitrosourea(ENU)発癌とラット腎移植手術を組み合わせたラットモデルの開発を試みた(横森)。7.ラット肝発癌過程の前癌病変である過形成結節および肝癌においてテロメラーゼ活性の上昇を認めた(小西)。8.活性酸素(フリーラジカル)に起因すると考えられるラット鉄腎発癌において、4-hydroxy-2-nonenal(HNE)の増加、CD47の高発現、さらにvon Hippel-Lindau病(VHL)遺伝子ではなくなく、Eker遺伝子(ヒト結節性硬化症遺伝子、TSC2のラットホモログ)に変異があることを見いだした(豊國)。
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