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1996 年度 実績報告書

アデノウイルスE1A遺伝子による細胞増殖誘導機構

研究課題

研究課題/領域番号 08264235
研究機関東京理科大学

研究代表者

小田 鈎一郎  東京理科大学, 基礎工学部・生物工学科, 教授 (40012736)

キーワードサイクリンA / cdc2 / エンハンサー / フイブロネクチン / 転写制御因子
研究概要

(A)ラットcdc2プロモーターの解析。プロモーター中のエンハンサー配列(-276〜-265配列)に結合する蛋白因子,cdc2E1、cdc2E2の抗体を作製し、G1進行期での発現レベルをウエスタン法で調べた結果、ともにほぼ一定であったが、cdc2E2のバンドは4本検出され、その中の1本はエンハンサー複合体の形成が始まるG1後期以降消失することが分った。G1進行各期から調製した細胞抽出液を用いてGST-cdc2E2のリン酸化、脱リン酸化を検討した結果、G1後期以降脱リン酸化が起こることが分った。現在cdc25A,cdc25Bフォスファターゼ等を用い、脱リン酸化とDNA結合能の関連を解析中。エンハンサーの上流に存在するサイレンサー領域をカバーする種々オルゴヌクレオチドの合成、および塩基置換の導入により、この領域のサイレンサー活性は-374〜-360配列に存在することを示した。またこの配列でのDNA/蛋白複合体の形成がG0期で最大で、G1中期より減少し、G1/S境界では殆ど消失すること、この複合体形成のパターンはエンハンサーでの複合体形成と丁度逆の関係にあることが分った。
(B)E1A誘導転写抑制因子の解析。ラット・フィブロネクチン(FN)遺伝子のアデノウイルスE1Aによる発現抑制は、E1Aにより誘導される転写抑制因子G10BPがFNプロモーターの3ヶ所のG-rich配列に結合し、転写因子Sp1の結合を抑制するためと分った。アデノE1Aトランスフォーム細胞より大腸菌で発現するλgt11をベクターとしてcDNAライブラリィを作製しサウスウエスタン法でG10BPと酷似する蛋白因子(GBP-1と命名)をコードする完全長cDNAを単離した。現在GBP-1によるFNプロモーターの活性抑制を詳細に解析中。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Nakajima,K.Oda 他7名: "Degradation of topoisomerase IIα during adenovirus E1A-induced apoptosis is mediated by the activation of the ubiquities protcolysis system" J.Biol.Chem.271・40. 24842-24849 (1996)

  • [文献書誌] T.Kishimoto,K.Oda 他9名: "Overexpression of cysteine sulfinic acid decarboxylase stimulated by hepatocarcinogenesis results in autoantibody production in rats" Cancer Research. 56・11. 5230-5237 (1996)

  • [文献書誌] M.Shimizu,K.Oda 他6名: "The Gl/S boundary-specific enhancer of the rat cdc2 promoter" Mol.Cell.Biol.15・5. 2882-2892 (1995)

  • [文献書誌] M.Suzuki,K.Oda 他5名: "G10BP,an E1A-inducible negative regulator of Sp1,represses transcription of the rat fibronectin gene" Mol.Cell.Biol.15・10. 5423-5433 (1995)

  • [文献書誌] 中島琢磨,小田鈎一郎: "Surgery Frontier「細胞周期チェックポイントとアポトーシス誘導」" メディカルユビュー社, 7 (1996)

  • [文献書誌] 小田鈎一郎: "産科と婦人科「癌と細胞周期」" 診断と治療社, 9 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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