研究課題/領域番号 |
08264240
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研究機関 | 埼玉県立がんセンター |
研究代表者 |
土屋 永寿 埼玉県立がんセンター, 研究所・病理部, 部長 (00072314)
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研究分担者 |
林 慎一 埼玉県立がんセンター, 研究所・生化学部, 主任研究員 (60144862)
林 盛昭 埼玉県立がんセンター, 研究所・化学療法部, 主任研究員 (90142116)
得地 令郎 埼玉県立がんセンター, 研究所・病理部, 研究員 (00300905)
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キーワード | 肺癌 / 腺癌 / p53遺伝子 / LOH / HTC-1遺伝子 |
研究概要 |
肺腺癌の発癌機序を明かにするため、腺癌を5つの細胞亜型<Hobnail(Hob)、Columnar(Col)、Mixed(HobとColが混在したもの)、Polygonal(pol)、Goblet(Gob)>に分類し、p53遺伝子変異、FHITmRNA異常、及び喫煙との関係を検索した。その結果、1)亜型の半数を占めるHobはp53の変異とFHITmRNA異常の頻度が低く,喫煙量が少なく、p53のCpG sitesのC*T Transitionの割合が高いことから、発癌にはendogenousな要因が重要な役割を占め、2)亜型の約20%を占めるColでは、p53変異とFHITmRNA異常の頻度が高く、p53のG*T Transversionの割合が高く、喫煙量が多かったことから、発癌には喫煙が重要な役割が占める事が明かとなった。第17番染色体短腕のp53遺伝子存在部位よりもテロメア側のLOHを11個のマーカーを用いて検索した結果、2ヶ所に新たな癌抑制遺伝子が存在する可能性が得られた。これらの部位の欠失と腺癌の病期との関係では、D17S379あるいはD17S956の欠失が病期の進んだものに有意に多かった。以上より同領域の欠失が腺癌の増悪と関連する可能性が得られた。D17S379近傍に存在するHIC-1遺伝子の発現量を検索した結果、肺癌で発癌が抑制されていた。今後、同遺伝子と予後との関連を検索する予定である。
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