研究課題/領域番号 |
08266109
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鎌田 七男 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (00034629)
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研究分担者 |
広沢 信作 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50143574)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
瀬戸 加大 愛知がんセンター, 研究所, 部長 (80154665)
三谷 絹子 東京大学, 医学部, 助手 (50251244)
大木 操 国立がんセンター, 研究所, 部長 (00158792)
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キーワード | 造血器腫瘍 / 骨・軟部腫瘍 / 転座関連遺伝子 / FISH法 / AML1遺伝子 / EVI-1遺伝子 / MLL遺伝子 / BCL6遺伝子 |
研究概要 |
1.転座関連遺伝子の構造/機能解析 a)2次性白血病4例のinv(11)(p15q22)から11q22領域にあるRNA helicase DDX10を単離した。また白血病発症にはNUP98-DDX10キメラ遺伝子産物が重要であることを明らかにした。(大木)。 b)EVI-1遺伝子導入Rat-1細胞コロニー形成能よりEVI-1蛋白質の造腫瘍性は第2Zincフィンガードメインに依存することを明らかにした(三谷)。 c)MLL遺伝子およびそのキメラ遺伝子蛋白に対する抗体を作製し、その蛋白の細胞内局在を検討したところ、核に局在することが判明した(瀬戸)。 2.転座型腫瘍の分子病態研究 a)悪性リンパ腫100症例中19例にBCL6遺伝子転座を認めた。キメラパートナー遺伝子の検討では免疫グロブリン重鎖などの既知遺伝子は14例で、5例は未報告配列であり、新しい転座遺伝子検出の可能性が出てきた(森)。 b)BCL6の機能解析のためBCL6ノックアウトマウスの作製を行ったところ、ホモ個体(BCL6-/-)は成長遅延、生後9週までの早期死亡が確認された。また、心筋ミトコンドリア異常および心筋への好中球湿潤を観測した。これらよりBCL6は成熟心筋細胞の維持に関与していることが示唆された(広沢)。 c)神経芽腫に2q,9p,18qにもLOHが存在することを見出した。また、神経芽腫の発症、進展にp16遺伝子、DCC遺伝子が関与していることが示唆された(林)。 3.転座型腫瘍のFISH法による診断・技術開発 a)inv(16),t(12;21),t(3;21)の各転座部位のYACプローブないしコスミドプローブを用い、それぞれの間期核細胞で診断可能な技術を開発した(蒲田)。 b)Ewingなく腫細胞にみられるt(11;22)を2色FISH法により間期核細胞で診断可能にした。 c)穿刺吸引サンプルを利用したFISH法乳癌細胞診断法を確立し、乳癌では高頻度に、その発生課程の早期に第1番染色体の異常が起こることを明らかにした(阿部)。
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