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1996 年度 実績報告書

ヒト自家癌腫瘍に対するCTL株作製に基ずく腫瘍特異免疫療法

研究課題

研究課題/領域番号 08266266
研究種目

重点領域研究

研究機関久留米大学

研究代表者

伊東 恭悟  久留米大学, 医学部, 教授 (50125499)

研究分担者 今井 康久  久留米大学, 医学部, 助手 (90268847)
星野 友昭  久留米大学, 医学部, 助手 (00261066)
七條 茂樹  久留米大学, 医学部, 助教授 (30080592)
キーワード癌退縮抗原 / 遺伝子クローニング / 扁平上皮癌 / HLA-A2601拘束性 / キラーT細胞 / 抗原ペプチド / SART-1遺伝子
研究概要

本研究では主として本邦においても高頻度に認められるヒト扁平上皮癌より特異的CTLによって認識される抗原ペプチドの同定を試みた。即ち食道癌細胞株(KE4)よりcDNAライブラリーを作製し、HLA-A2601遺伝子と共にヒト線維芽細胞株(VA13)にtransfectしたのちKE4に対するHLA-A2001拘束性CTL株を添加し、それによるIFNγの産生を指標にして目的抗原をコードする遺伝子をスクリーニングした。その結果、777bpのORFを含む991bplの遺伝子を、クローニングした。その991bp遺伝子をプローブとして、さらに解析した結果2507bp長の遺伝子が同定される(SART-1遺伝子と仮称)。SART-1遺伝子は、胎児肝・脾および臍帯のcDNAライブラリー由来の遺伝子断片は(373-480bp)とホモロジーを示したが、いずれも機能は知られていない。同遺伝子は、mRNAレベルで全ての正常及び癌認識に発現しており、睾丸おいては強発現している。しかし、同蛋白(777bpのORFのコードする259アミノ酸)は抗SATR-1抗体とwestern blot法での解析より正常組織では睾丸及び胎児感のみ、また癌組織では頭頚部癌・食道癌の殆ど、非小細胞性癌の5割に発現されていることが示唆された。またSATR-1蛋白(259アミノ酸)のうちKE4-CTLに認識される抗原部位は、delection mutantsの結果から、ORFの3'-側から186bpに抗原ペプチドがコードされていることが示唆された。そこで、この範囲で、10merのペプチドを22種類合成し、それぞれをHLA-A2601およびHLA-A0201遺伝子をtransfectしたVA13にロ-ディングし、これを標的としてKE4-CTLの反応性を調べたところ、3種類のペプタイドが抗原となり得る事が示唆された。このことから、宿主のキラーT細胞によって特異的に認識される癌退縮抗原がヒト扁平上皮癌の細胞に存在するが示唆され癌ワクチン開発の可能性が示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sugita,S,Sagawa,K,Itok,K,et al.: "Melanocyte Lysis by CTL Recognizing the MART-1 Melanoma Antigen in HLA-A2 Patients with Vogt-Koyanagi-Harada (VKH) Disease." Int.Immunol.8. 799-803 (1996)

  • [文献書誌] Toh,H,Yamana,H.,Itoh,K.,et al.: "A monoclonal antibody KIS-1 recognizing a new membrane antigen on squamous cell carcinoma." Int,J.Cancer. 66. 600-606 (1996)

  • [文献書誌] Shichijo,S.,Yamada,A.,Itoh,K.,et al.: "Induction of MAGE genes in lymphoid cells by the demethylating agent 5'-Aza-2'-deoxycytidine." JJCR. 87. 751-756 (1996)

  • [文献書誌] Miyajima,J.,Imai,Y.,Itoh,K.,et al.: "Higher susceptibility of erythropoietin-producing renal cell carcinomas to lysis by lymphokine-activated killer cells." J.Immunotherapy.(in press.). (1997)

  • [文献書誌] Seki,N.,Hoshino,T.,Itoh,K.,et al.: "HLA-A locus-restricted and tumor-specific CTL in tumor infiltrating lymphocytes of patients with lung cancer." Cell.Immunol.(in press.). (1997)

  • [文献書誌] Hoshino,T.,Seki,N.,Itoh,K.,et al.: "HLA-class I-resticted and tumor-specific CTL in tumor-infiltrating lymphocytes of patients with gastric cancer." Int.J.Cancer. (in press.). (1997)

  • [文献書誌] ltoh,K.,Hayashi,A.,et al.: "ln : lnternational Reviews of lmmunology." (eds) Kumagai,K.,Kasakura,S.,Springer-Verlag,New York, (in press), (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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