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1996 年度 実績報告書

水・プロトン、酸素分子チャネルの立体構造特性

研究課題

研究課題/領域番号 08268231
研究機関大阪大学

研究代表者

月原 富武  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)

研究分担者 山口 宏  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (10252719)
キーワードプロトンチャネル / 水チャネル / 酸素分子チャネル / チトクロム酸化酵素 / 結晶構造
研究概要

ウシ心筋のチトクロム酸化酵素は、ミトコンドリアの内膜にある膜タンパク質で、酸素を水に還元すると同時にプロトンをマトリックス側から細胞質側に輸送する。この膜タンパク質の2.8A分解能の結晶構造に基づいて、プロトンが通過する経路を特定することができた。
アミノ酸の側鎖と構造水の間にできる水素結合の繋がりを探すことによって、3本のプロトンチャネルの候補を見付けた。それらはすべてサブユニットIの中にある。1本はマトリックス側から酸素還元部位に至る経路であり、2本はマトリックス側から細胞質側に至るプロトンの能動輸送に関わる経路である。何れのチャネルも、完全な繋がりはなく途切れた部分があり、この部分がゲートの役割をしている。酸素還元部位に至るチャネルでは、Lys265とThr489がマトリックス側の膜表面にある。これらのアミノ酸残基からHis256にまで4分子の構造水が見つかっており、これらを介した水素結合のネットワークができ上がっている。His256とSer255の間には構造が乱れた水があると思われる空洞がある。そのSer255は構造水を介してLys319に繋がっている。Lys319の側鎖は構造変化によってThr316に相互作用できるようになる。Thr316とヘムのファルネシル基のOHとの間にも構造水が見つかっており、Tyr244まで水素結合のネットワークを伸ばしている。Tyr244からプロトンは、その側鎖の構造変化によって、直接か或いはHis240を介して基質である酸素分子にプロトンを供与する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Tsukihara et al.: "The Whole Structure of the 13-Subunit Oxidized Cytochrome c Oxidase at 2.3A" Science. 272. 1136-1144 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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