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1996 年度 実績報告書

b-Zipタンパクの核局在化機構

研究課題

研究課題/領域番号 08274205
研究機関東京大学

研究代表者

千田 和広  東京大学, 医科学研究所, 助手 (00192188)

キーワードb-Zip / Jun / Fos / 核移行シグナル / 核 / 細胞質 / 二量体 / マイクロインジェクション
研究概要

転写因子b-Zip蛋白の核局在化を分子レベルで理解するために、代表的なb-Zip蛋白である癌遺伝子v-およびc-jun産物(v-およびc-Jun)とc-fos産物(c-Fos)を取り上げ、核輸送過程におけるこれら蛋白間の相互作用を調べた。v-jun,c-junおよびc-fosのcDNAをラット腎臓由来NRK細胞で強制発現させ、それぞれの遺伝子産物の細胞内局在を蛍光抗体法によって検出した。一過性で急速かつ強力な遺伝子発現が必要なため発現ベクターDNAを細胞核に直接マイクロインジェクションで導入し、2時間保温後の局在を調べた。v-Junおよびc-Junともに核への集積は顕著であった。二量体形成に必要なロイシンジッパーのv-Jun変異体は単独で核内に輸送された。しかしv-Junの核局在配列(NLS)の変異体は細胞質に留まり、c-Junを同時に発現させた場合に核へ移行した。このことからv-Junは単量体でも二量体でも核輸送されることが明らかになった。一方、c-Fosは単独の強発現では不十分な核集積を示し、大部分は細胞質に留まる。しかし野生型のv-あるいはc-Junと同時発現でc-Fosは効率よく核に集積した。このc-Fosの核移行はJunのNLS変異体あるいはジッパー変異体によっては促進効果が認められなかった。これらの事実はc-FosのNLSはJunに比べて弱く、ジッパー領域でヘテロ二量体を形成するJunの強力なNLSを利用して効果的な核輸送が成されたと考えられる。このことはb-Zip蛋白が細胞質においてすでに二量体を形成し、NLSの強弱およびその組み合わせによって転写の場である核への輸送が制御されることを示唆している。b-Zip蛋白の核輸送機構そのものが遺伝子の発現制御機構となる可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takebayashi,M.: "Recessive phenotype displayed by dominant negative MITF mutant is a result of impaired nuclear localization potential." Mol.Cell.Biol.16. 1203-1211 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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