研究概要 |
1.セントロメア蛋白質が結合するDNAについて ヒトCENP-Bについてはセントロメア領域のDNAに存在する幾つかの配列に結合することが知られているが、その結合配列の詳細は不明であった。そこで、先に開発した「ヒト組換え体CENP-Bを用いたDNAアフィニティー沈降法」を用いて,新たに結合する配列を20個程同定した。また,同様の手法を用いて,ヒトゲノムライブラリーより、直接,CENP-Bの結合する配列として「セントロメアDNA」を複数単離した。一つは染色体6番に由来するもので,その3kbの繰り返しにおけるCENP-Bの結合配列の分布を正確にマップした。今一つは複数の染色体のセントロメアに局在性を示すもので,現在,解析中である. 2.セントロメア蛋白質間の相互作用について CENP-CとHP1の分子間相互作用について,DSSを用いた化学架橋法あるいは,ゲル濾過法により解析を行った.その結果,CENP-Cは中央のDNA結合領域に加えて,C末端に二量体形成領域が存在することが明らかとなった.N末端にも自己会合能の存在が示唆された.また,HP1についても,中央のDNA結合領域に加えて,自己会合能を持つ可能性が示された. 3.その他のセントロメア蛋白質について CENP-A蛋白質のDNA結合能を解析するため,そのcDNAをクローン化した現在,組換え体蛋白質を発現させ,その機能の解析を行っている.
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