研究課題/領域番号 |
08278102
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 紘一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (80011948)
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研究分担者 |
牧 正敏 名古屋大学, 農学部, 教授 (40183610)
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
村上 安子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30056709)
山尾 文明 国立遺伝学研究所, 助教授 (10158074)
田中 啓二 東京都臨床医学総合研究所, 部長(研究職) (10108871)
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キーワード | プロテオリシス / 蛋白分解 / プロテアーゼ / カルパイン / プロテアソーム / トリプターゼ |
研究概要 |
「蛋白質の寿命決定機構の解明」を目指し、その基盤となる選択的な蛋白分解のメカニズムと生理的意義、ならびに、蛋白分解の異常に基づく疾病の解析を行った。鈴木と牧はカルパイン系を研究し、鈴木は筋肉特異的カルパインp94が原因遺伝子である肢帯型筋ジストロフィー症2A型(LGMD2A)患者で見られるp94の変異を解析し、p94が基質の切断能力を失うことがLGMD2Aの原因であることを明らかにした。牧はカルパインのカルシウム結合ドメインと相同な蛋白質を解析し、新しい分子種を見出すと共に、カルパインがカルシウム結合ドメインを介して二量体を形成する機構を解析した。田中、村上、山尾はプロテアソーム系蛋白分解を解析した。田中は抗原のプロセッシングに関与するプロテアソームを解析し、20Sプロテアソームの2種類の活性化因子、PA700,PA28を同時に含むハイブリッド型のプロテアソームの存在を明らかにした。PA28を構成するサブユニットのノックアウトマウスを作成し機能の解析を進めている。山尾は分裂酵母で発見したユビキチン結合酵素(ubcP4)がサイクロソームと一緒にCdc13p,Cig2,Cut2標的として分解することを示し、細胞周期の決定における標的蛋白質の分解の意義を解析した。村上はユビキチン非依存的にプロテアソームで分解されるオルニチン脱炭酸酵素(ODC)の分解機構を解析し、プロテアソームはアンチザイム(AZ)を結合したODCのC末端を認識しATP依存的に取り込んで分解することを示し、更にゼブラフィッシュを用いて分子の多様性、分子進化等の研究を進めている。木戸はインフルエンザウイルスの感染特異性がトリプターゼクララによって決まることを明らかにした。また、トリプターゼTL2とプロテアソームにシャペロン型NDPキナーゼ活性があることを発見し、キナーゼ活性、プロテアーゼ活性、シャペロン活性の相互作用を解析した。
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