研究課題/領域番号 |
08278102
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 (2000) 東京大学 (1996-1999) |
研究代表者 |
鈴木 紘一 (財)東京都老人総合研究所, 所長 (80011948)
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研究分担者 |
村上 安子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30056709)
山尾 文明 国立遺伝学研究所, 助教授 (10158074)
田中 啓二 (財)東京都臨床医学総合研究所, 部長(研究職) (10108871)
牧 正敏 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40183610)
木戸 博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50144978)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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キーワード | プロテオリシス / 蛋白分解 / プロテアーゼ / カルパイン / プロテアソーム / オルニチン脱炭酸酵素 |
研究概要 |
選択的な蛋白分解の分子機構を明らかにするため、細胞内の主要蛋白分解系、カルパイン、プロテアソーム系を中心に解析した。鈴木はヒトカルパインのカルシウム非結合型の結晶構造を2.3Åの分解能で明らかにし、カルパインは酵素前駆体で、活性中心の形成にはカルシウムの結合で誘発される大きな構造変化の必要性を明らかにした。カルシウム依存性の大きな構造変化を惹起するカルシウム結合ドメインとして新たにドメインIIIを同定し、IIIがカルシウム依存的に生体膜・リン脂質結合ドメインとして働くことを、発現したIIIの性質から実証した。牧はカルパスタチンの遺伝子構造を解析し、プロモーターを異にする4種類のアイソフォームと、選択的スプライシングによる亜型の存在を確認した。田中は、プロテアソームのポリユビキチン受容体(Rpn10には組織の発現が異なる5種類のスプライシング変異体が存在し、特に胚に特異的なRpn10eは卵の分裂で必須な機能を果たすことを発見した。また、γ-インターフェロンの刺激で26Sプロテアソームのサブユニット構成と調節因子が変化し、内在性抗原のプロセッシングに適した新しい免疫プロテアソームが誘導されること明らかにした。さらに、若年性パーキンソニズムの原因遺伝子パーキンがリング型ユビキチンリガーゼの一つであることを発見し、パーキンソン病の解明に突破口を開いた。山尾は分裂酵母でM期サイクリンなどの分解で働く新しいE2、ubcP1を含む分解系の存在を示した。村上はオルニチン脱炭酸酵素(ODC)がアンチザイムとATP依存的に263プロテアソームで補足・分解される機構を解明し、26SプロテアソームがODCのアンフォーディングを触媒することを発見した。木戸はインフルエンザウイルスが宿主細胞へ感染するには膜蛋白が宿主細胞のトリプターゼクララで選択的に切断されることが必須であることを証明した。
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