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1997 年度 実績報告書

蛋白分解による細胞機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 08278103
研究機関順天堂大学

研究代表者

木南 英紀  順天堂大学, 医学部, 教授 (10035496)

研究分担者 内山 安男  大阪大学, 医学部, 教授 (10049091)
大隅 良典  国立基礎生物学研究所, 教授 (30114416)
川島 誠一  東京都臨床医学総合研究所, 部長 (60008571)
名取 俊二  東京大学, 薬学部, 教授 (50012662)
横沢 英良  北海道大学, 薬学部, 教授 (90012765)
キーワード蛋白分解 / 細胞周期 / 細胞文化 / 細胞死 / カスパーゼ / リソソーム / 自食作用 / カルパスタチン
研究概要

4つの重点項目について以下の研究成果を得た。(1)細胞周期制御:横沢は卵の分裂周期で一過的に上昇する細胞内カルシウムによるプロテアソームの活性化が、キナーゼ阻害剤で阻害されること、またプロテアソームの26Sから20Sへの解離がホスファターゼ処理によっておこることを見いだした。岸本は細胞周期におけるM期の終了はCdc2-サイクリンB複合体のサイクリンBの蛋白分解によってもたらされるが、Cdc2はその直前に解離している可能性を示した。(2)細胞増殖・文化の制御:名取はセンチニクバエ変態期において幼虫中腸を崩壊させる新規セリンプロテアーゼがプロテアーゼ活性に加え、ザルコトキシンIAと共通抗原性をもつ抗菌活性も併せ持つことを明らかにした。川島は、カルパスタチン遺伝子の翻訳開始点上流の5^1-非翻訳領域の構造に高い多様性を認め、カルパスタチンが複雑な転写制御を受けていることを示唆した。(3)細胞死制御:三浦はLPSで発現誘導されて自己活性化するカスパーゼ-11のノックアウトマウスを作製した。変異マウスは正常に発生し生殖可能であったが、septic shockに耐性であった。本酵素は生体でカスパーゼ-1の活性を上流で調節する遺伝子であることが示唆された。内山は、無血清、NGF無添加で誘起されるアポトーシスの系で、カスパーゼが活性化されない条件では、カテプシンD/Bによる細胞死制御系が働くことを明確に示した。(4)恒常性の維持・監視の制御:木南は、リソソームプロテアーゼ群がエンドソーム/ファゴソーム系とリソソーム系では個々のカテプシン量、獲得過程に大きな差があること、自食作用に伴い限定分解を受ける細胞質蛋白を同定し、自食作用の指標となる可能性を示した。大隅は、酵母の自食作用に必須なAPG遺伝子物産の同定を行ない、自食作用に伴う膜構造のマーカーとして有力な分子としてApg6,Apg8,Apg9を得た。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Ishidoh,K.,et al.: "Egr family member proteins are involved the activation of the cathepsin L gene in ν-src transformed cells." Biochem.Biophy.Res.Commun.238. 665-669 (1997)

  • [文献書誌] Baba,M.,et al.: "Two distinct pathways targeting proteins from the cytoplasm to the vacuole/lysosome." J.Cell Biol.139. 1687-1695 (1997)

  • [文献書誌] Tachibana,K.et al.: "MAP kinase links the fertilization signal transduction pathway to the Gl/S-phase transitionin starfish eggs." EMBOJ.16. 4333-4339 (1997)

  • [文献書誌] Nakajima,Y.,et al.: "A novel protease in the pupal yellow body of Sarcophaga peregrina (flesh fly)." J.Biol.Chem.272. 23805-23810 (1997)

  • [文献書誌] Wang,S., Miura,M., et al.: "Murine caspase-11,an ICE interacting protease,is essential for activation of ICE." Cell. in press (1998)

  • [文献書誌] Fujjumuro,M.et al.: "Dynamics of ubiquitin conjugation during heat-shock response revealed by using a monoclonal antibody specific to multi-ubiquitin chains." Eur.J.Biochem.249. 427-433 (1997)

  • [文献書誌] Ueno,T., Kominami E.: "Proteolysis in Cell Function" V.K.Hopsu-Havu,M.Jarvinen,and H.Kirschke (IOS Press, Amsterdam), 576 (1997)

  • [文献書誌] Ishidoh K., Kominami E.: "Medical Aspects of Proteases and Protease Inhibitors" N.Katunuma,H.Kido,H.Fritz,and Travis (IOS Press,Amsterdum), 205 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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