研究課題/領域番号 |
08278211
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山本 健一 金沢大学, がん研究所, 教授 (60115285)
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研究分担者 |
清水 弘子 金沢大学, がん研究所, 助手 (20126585)
善岡 克次 金沢大学, がん研究所, 助教授 (60200937)
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キーワード | 転写因子 / NF-κB / インヒビター / 蛋白分解 / プロテアゾーム / 免疫抑制剤 / リン酸化 / ユビキチン |
研究概要 |
様々な有害ストレスによるNF-κBの活性化には、そのインヒビターであるIκBα/βとp105のプロテアゾームによる蛋白分解が必須である。我々は免疫抑制剤FK506によりIκBaの分解を介してNF-κBの活性化が起こることを明らかにしたが(J.Clin.Invest.,1996)、その機序としてFK506によるFKBPのpeptidylpropyl-cis-trans isomerase(PPI)活性の阻害によるERでの蛋白のfoldingの阻害が考えられることから、PPI活性は阻害するが、そのほかの活性はないFK506誘導体について検討した結果、FK506によるNF-κBの活性化の機序として、FKBPのPPI活性の阻害によるものではないと結論された。さらに、NF-κBインヒビターのIκBα/βの燐酸化とプロテアゾームによる蛋白分解について検討した。その結果、FK506によるIκBαの分解はプロテアゾームの阻害剤によって阻害されず、またFK506によるIκBαN末部の燐酸化も認められなかった。以上の結果は、FK506によるNF-κBの活性化は、いままでに報告されているIκBαN末部の燐酸化を介するプロテアゾームによるIκBαの分解とは異なる、新しいIκBαの分解経路によって起こると考えられた。我々はまた、p105の蛋白分解がサイクリン依存性キナーゼによる燐酸化に依存しプロテアゾームによって起こることを前に報告したが、この点についてさらに、ユビキチン化やプロテアゾームのサブユニットHC9との相互作用についても検討している。
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