研究分担者 |
倉田 耕治 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40170071)
岩田 誠 東京女子医科大学, 病院・教授 (90107665)
安西 祐一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40051875)
澤口 俊之 北海道大学, 医学部, 教授 (00183830)
森田 昌彦 筑波大学, 機能工学, 講師 (00222349)
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研究概要 |
情動と思考は,注意,認知,記憶・学習,運動といった脳の基本的な機能のすべてに関与する大規模なシステムを構築し,その都度必要な各脳機能システムを活性化し,結合することによって作動していると考えられる。本研究班では,以上の趣旨により,思考と情動を脳内各機能系の最高位の統合システムとみなし,その機能原理について生物学的および計算論的側面から研究を行った。実験系(神経生理学,ならびに神経心理学)では,動物を用いた神経生理学的研究により大脳辺縁系および前頭葉を中心に脳内で情報の流れが如何に操作されるか検証し、ヒトを用いた神経心理学的研究では、視覚・記憶システムを中心にヒトの脳内に存在する様々なシステムの検証を行った。理論系(計算論的神経科学)では,前頭葉や側頭葉をモデルにして、思考と認知・記憶のモデルを構築し、計算論的見地から思考や情動における情報操作の原理を探った。また、感覚入力系と記憶系の相互作用における海馬体の役割を光計測法を用いて解析し、計算論的見知から実際のデータを検討した。これらの研究により、実験的研究では、感覚刺激の価値判断や情動から行動への変換に関与するニューロンならびに在が実証され、計算論的研究では、自己組織化による多重脳マップや状態遷移回路など情動・思考の原理モデルを提唱するに至っている。このように第4班は情動・思考の基礎原理を解明するため、上記のように広範な領域を研究課題に含めた。今後は、さらにこれらの成果を土台にして、神経生理学、ならびに神経心理学的手法により、生物学的な作動原理が解明されるとともに、計算論的にその作動原理のグローバルな実現、すなわち統一のとれた一つの脳として、脳の各モジュールがどのように機能しているかその可能性が明らかされることが切に望まれる。
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