研究課題/領域番号 |
08279237
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
高梨 芳彰 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (40171459)
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研究分担者 |
牧野 雅弘 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80271162)
岩本 一秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (70232709)
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キーワード | 非侵襲的脳機能測定法 / 脳磁図 / 機能的核磁気共鳴断層法(fMRI) / 聴性誘発磁場 / 視覚誘発磁場 / レチノトビ- / 相互相関解析法 |
研究概要 |
目的:ヒトの高次脳機能を非侵襲的方法により捉えることが可能となり、中でも脳磁計は神経が賦活されたことによる直接的な一次信号を捉え、その時間・空間分解能は極めて優れている。そこで個々の記録点で得られた脳磁場反応にアナログ相互相関解析法Cross-Correlation Analysisを適用した。また脳磁図から推定されてた磁場源とfMRIで得られた活性化部位を比較検討した。 方法:島津製作所が開発した129チャンネル・ベクトル型脳磁計により、正常被検者10名より聴性誘発磁場および視覚誘発磁場を測定した。聴覚刺激には1000Hzのtone burstを用いた。また視覚刺激としては縦15度、横15度の視野に、一辺が1.5度の白黒のチェッカーボード・パターンを提示した。また刺激視野は左右の半視野と左右上下の1/4視野とした。さらに視覚誘発磁場測定時と同一の視覚刺激によりfMRIを記録した。またPerke1ら(1967)、Toyamaら(1981)の方法によるアナログ相関解析法のプログラムを開発した。 結果:聴性誘発磁場反応はすべての被検者で記録することができた。この反応を用いて、近接する二点間の反応のアナログ相関解析を試みたが、計算は不可能であった。その原因は脳磁計のS/N比が不良であった為と推定された。今後、S/N比の改良を試み、アナログ相互相関解析法による解析を進める。視覚誘発磁場反応ではすべての被検者より良好なP100mを得ることができた、最も著明な頂点はP100mで、その磁場源は後頭葉の鳥距溝付近に推定された。また同一の刺激で得られたfMRIにおける活性化部位は、磁場源近傍に認めた。しかし、脳回レベルでは磁場源と活性化部位は必ずしも一致しなかった。今後は、刺激方法を改良し、ヒトのretinotopyを詳細に解析し、さらにヒトの運動視における情報処理過程を明らかにする。
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