研究課題/領域番号 |
08280104
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
真木 寿治 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (20199649)
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研究分担者 |
林 健志 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (00019671)
能美 健彦 国立衛生試験所, 変異遺伝部, 室長 (30150890)
中村 健司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90253533)
続 輝久 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40155429)
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
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キーワード | 自然突然変異 / DNA複製 / DNA修復 / 遺伝的不安定性 / がん / 遺伝病 / 酵素ラジカル / ノックアウトマウス |
研究概要 |
本研究計画での主要な問題点は自然突然変異の発生原因や変異を抑制する機構の解明と生体でのそれらの制御や生物学的あるいは医学的影響を明らかにすることである。本年度は以下の2つの項目について研究を実施し、新たな知見を得た。 1.自然突然変異の分子機構:DNA複製エラーについて、その発生メカニズムを試験管内DNA複製系を用いて解析を行い、繰り返し配列に依存して複製エラーが高頻度に発生することを見いだした。DNAの自然損傷については、酵素ラジカルによるDNA損傷を中心に研究を進め、8-oxoグアニンによる突然変異を抑制する修復酵素をコードする高等生物の遺伝子のクローニングに成功した。また、酵素ラジカルによる新規の変異原性DNA損傷として2-OHアデニンを同定した。誤りがち修復に関与するタンパク質の生化学的な解析を進め、DNAポリメラーゼとの相互作用を見いだした。 2.高等生物における突然変異の特異性:トランスジェニックマウスを用いた突然変異の解析系の開発を行ない、特定の標的遺伝子上で生じる突然変異の種類や発生部位を塩基配列レベルで解析した。酸素ラジカルによる損傷を修復する酵素をコードする遺伝子についてノックアウトマウスの作成を進め、その突然変異率と発がんの発生頻度を検討した。SSCP法をベースにして、塩基配列レベルでの変異データを迅速かつ大量に得ることができる実験系の開発を進め、発がん関連遺伝子での突然変異発生の特異性を検討した。歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の原因遺伝子を対象に、患者家系におけるリピート数の変化を追及するとともに、伸張リピートの起源を解析した。
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