研究課題/領域番号 |
08281102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小島 莊明 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00009622)
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研究分担者 |
北 潔 医科学研究所, 助教授 (90134444)
相川 正道 東海大学, 総合医学研究所, 教授 (90271593)
田辺 和裄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (40047410)
綿矢 有佑 岡山大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (90127598)
堀井 俊宏 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80142305)
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キーワード | マラリア / 熱帯感染症 / 寄生適応 / ワクチン / 新薬開発 / 免疫応答 / 実験動物モデル / ベクター |
研究概要 |
マラリアは開発途上国の人々の健康と社会経済の発展を妨げる熱帯感染症の代表的な例であり、その制圧は世界的なレベルで急務となっている。本研究はマラリア原虫の寄生適応現象を分子レベルで研究する事により、新しいマラリア制圧学の構築というべき新領域を確立する事を目的としている。総括班は本重点領域研究の目的と研究計画を厳正かつ遅滞なく達成するために組織されており、各計画研究班間、班員間の共同研究、情報交換など有機的ネットワークの確立を推進し、研究成果の評価ならびに国際交流などの重要事項についての審議を行った。 実際には交付申請時に立案した平成9年度の事業計画に従い、平成9年7月、平成10年1月に合同班会議を開催した。また、平成9年11月には宇都宮市で2名の外国人講演者(Dr.SindenおよびDr.Nosten)も加えてシンポジウムを開催した。本重点領域研究も2年目に入り成果があがりつつある。すなわち有望なワクチン候補であるSERAタンパク質の生理作用の解明が進み、またピリメサミン耐性を克服する新規薬剤がコンピュータモデリングにより見い出された。さらにマラリアの重症化の分子機構の解析にニホンザルが極めて有用である事が明らかになり、モデル動物実験系が確立しつつある。また総括班として「マラリア分子機構ホームページ」の開設と「マラリアレター」の発行を通して、広報活動を積極的に推進した。この結果、第2班の進めている抗マラリア剤のスクリーニング系への試料提供は初年度を大きく上回り、選択毒性の高い有望な薬剤が見い出されている。この様に、本年度は当初の計画目標をほぼ予定どおりに達成することができたと考えられる。
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