研究課題/領域番号 |
08281103
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研究種目 |
重点領域研究
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小島 荘明 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00009622)
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研究分担者 |
鎮西 康雄 三重大学, 医学部, 教授 (60024709)
平山 謙二 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60189868)
太田 伸生 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10143611)
松本 芳嗣 農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
相川 正道 東海大学, 総合医学研究所, 教授 (90271593)
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キーワード | マラリア / 脳マラリア発症機構 / 感染防御 / サイトカイン / ノブ蛋白 / ベクター / 分子生物学 |
研究概要 |
1)脳マラリア発症機構の解析:脳マラリア発症機構解明のため、今年度はまず、ヒトのマラリアに対応する動物実験モデルの開発について検討し、熱帯熱マラリア原虫の感染がリスザル及びヨザルにおいて被寄生赤血球の血管内皮細胞への付着をおこすこと、並びに、ニホンザルにおいてPlasmodium coatneyiの感染が意識レベルの低下を起こし脳マラリアの良い実験モデルとなることを明らかにした。また、ヒトでは脳マラリアの発症にIgEの関与を示唆する報告がなされているが、マウスではむしろIgE上昇が感染防御的に作用する可能性がIL-5トランスジェニックマウスやIL-4遺伝子欠損マウスを用いて示された。さらに、原子間力顕微鏡を用いて、熱帯熱マラリア原虫感染赤血球膜上に出現するノブ蛋白が2峰性であることが示された。2)宿主免疫応答と感染防御機構の解析:上記とも関連して、重症マラリア患者では、無症状例に比較し、マウスにみられると同様、胸腺外分化T細胞が増加していることが判明した。宿主T細胞が認識するエピトープの解析のため、固相化ペプチドを用いてヒトMHCクラスII分子と結合する熱帯熱マラリア原虫MSP1のペプチドをスクリーニングする方法の開発を行う一方、特定のCTLエピトープを認識するMHCクラスIアロ抗原がマラリアの感染抵抗性と相関があることを明らかにした。一方、ネズミマラリア感染の系では、IFN-γにより誘導される一群の遺伝子の転写を制御する転写因子(IRF-1)の遺伝子欠失マウスにP.bergehiを感染させたところ、予想と異なり、Th2優勢の応答ではなく、Th1応答が誘導されたことから、従来と異なる感染防御機構の存在が示唆された。3)マラリア原虫とベクターとの分子的相互関係の解析:ハマダラカ体内におけるスポロゾイトの唾液腺集積の分子機構解明のため、唾液腺表面レセプターと反応するスポロゾイト表面分子探索のためモノクローナル抗体の作製が開始された。
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