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1997 年度 実績報告書

「マラリア原虫における寄生適応の分子生物学的解析」

研究課題

研究課題/領域番号 08281104
研究機関大阪大学

研究代表者

堀井 俊宏  大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (80142305)

研究分担者 太田 伸生  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10143611)
松岡 裕之  自治医科大学, 医学部, 助教授 (10173816)
神原 廣二  長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (20029789)
鳥居 本美  愛媛大学, 医学部, 教授 (20164072)
田辺 和裄  大阪工業大学, 工学部, 教授 (40047410)
キーワードリスザル / マラリアワクチン / Plasmodium falciparum / レコンビナントSERA蛋白 / MSP-1遺伝子 / 遺伝子多型 / ロプトリ- / BCG
研究概要

(1)堀井は、抗SE47'IgG抗体が熱帯熱マラリアのシゾントとメロゾイトを凝集する作用を示すこと、補体の存在下で強力な殺シゾント効果を示すこと、その効果は補体結合性のあるIgG2a、IgG2b、IgG3で明確なことを明らかにした。SERA蛋白質を用いたワクチン開発における誘導すべき免疫応答のパターンとそこでおこる機能の裏付けに一定の結論が得られたので、今後のマラリアワクチン開発の方向性が固まった。(2)田辺はMSP1の遺伝的多型を17個のブロックの組合わせから24種のalleleに分け、その地理的分布とブロックをコードする遺伝子座間の連鎖不平衡を検討した。タイ、ベトナム、バヌアツ、ブラジルから分離された原虫のMSP1のそれぞれのallele頻度は地理的距離に応じて異なったパターンを示しており、原虫の拡散の足跡を示すものと考えられた。(3)鳥居は、ネズミマラリアのP.yceliiの140kDロプトリ-蛋白に対する単クローン抗体を用いて抗原を精製し、そのアミノ酸配列を決定し、最終的にその遺伝子の全塩基配列を決定した。ロプトリ-蛋白は原虫の赤血球への侵入に関与する分子であるので、そのワクチンの応用の可能性の検索に取りかかっている。(4)神原は、P.yceliiのMSP-1遺伝子を抗酸菌のα抗原遺伝子に挿入して融合蛋白として発現させ、BCGワクチンのマウスでの試験を継続している。宿主のBCG感作の状況によって影響を受ける可能性等の問題が未解決である。(5)松岡は、蚊への伝播阻止抗体の産生を誘導するためにはC末端を含む蛋白分子の発現が必要ではないかと考えて、Pbs21のC末端部分をレコンビナント抗原としてカイコに発現させることを検討した。(6)太田はMSP1のT細胞エピトープをスクリーニングする実験系を樹立し、実際のマラリア患者から作製したMSP1特異的T細胞株を用いて、そのエピトープ活性を検証する段階にある。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzue,K., Matsumoto,Y., Ito,M. and Horii,T.: "Protective immunity induced in Squirrel Monkeys with recombinant serine repeat antigen (SERA) of Plasmodium falciparum." Parasitology International. 46. 17-25 (1997)

  • [文献書誌] Morimatsu,K., Morikawa,T., Tanabe,K. and Horii,T.: "Sequence diversity in the amino-terminal 47kDa fragment of the Plasmodium falciparum serine repeat antige (SERA)." Mol.Biochem.Parasitol. 86. 249-254 (1997)

  • [文献書誌] Pang X.-L. and Horii,T.: "Complement-mediated killing of plasmodium falciparum erythrocytic schizont with antibodies to the recombinant Serine Repeat Antigen (SERA)." Vaccine. (in Press). (1998)

  • [文献書誌] Tsuboi,Y., et al.: "Two antigens on zygotes and ookinetes of Plasmodium yoelii and Plasmodium berghei that are distinct targets of transmission-blocking immunity." Infect.Immun.65. 2260-2264 (1997)

  • [文献書誌] Kaneko,O., et al.: "Plasmodium falciparum : variation in the merozoite surface protein 1 gene in wild isolates from southerm Vietnam." Exp.Parasitol.86. 45-57 (1997)

  • [文献書誌] Matsuoka,H., et al.: "Depletion of salivary gland protein sin Anopeles stephensi (Diptera : Culicidae) on blood feeding,and induction of antibodies to the proteins in mice being fed." Med.Entomol.Zool.(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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