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1997 年度 実績報告書

情報伝達とリンパ球の機能分化

研究課題

研究課題/領域番号 08282105
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

宮園 浩平  財団法人癌研究会, 癌研究所・生化学部, 部長 (90209908)

研究分担者 吉村 昭彦  久留米大学, 分子生命科学研究所, 教授 (90182815)
徳久 剛史  千葉大学, 医学部, 教授 (20134364)
成内 秀雄  東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
渡邊 武  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
田賀 哲也  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40192629)
キーワードサイトカイン / 免疫病 / レセプター / 情報伝達 / リンパ球 / アポトーシス / 細胞増殖 / 抗原受容体
研究概要

1)TGF-βレセプターが活性化されると細胞内に存在するSmad分子のセリンがリン酸化され、核へ移行してさまざまな転写を促進する。我々はSmad2とSmad3がTGF-βタイプIレセプター(以下、TβR-I)のkinase-inactive formと安定的に結合し、TβR-Iの基質となることを確認した。またSmad2とSmad3、Smad4の三者がTGF-βの刺激で細胞内で複合体を作ることを確認した。Smad2やSmad3はSmad4が共存すると最も強くTGF-βのシグナルを伝達した。
2)TGF-βやBMPのシグナル伝達にはSmad1〜5やSmad8が重要な役割を果たしている。これに対しSmad6はTGF-βやBMPのシグナルを抑制する働きを持つことが明らかとなった。Smad6はTβR-IやBMPのタイプIBレセプターなどと安定的に結合した。この結果Smad6はSmad1やSmad2がレセプターによって活性化されるのを妨げ、シグナルを抑制した。さらに我々はSmad6のmRNAの発現がBMPやTGF-βの刺激で著しく上昇することを明らかにした。このことはリガンドの刺激によりシグナルが自己調節性に抑制されることを示しており、シグナル伝達の新しい調節機構の存在が明らかとなった。
3)ASK1は新しいタイプのMAPキナーゼキナーゼキナーゼで、TNF-α刺激により活性化され、細胞のアポトーシスを誘導する。ASK1はMAPキナーゼ経路のうちSAPKならびにp38MAPキナーゼを活性化する。ASK1のシグナル伝達経路を明らかにするためにASK1結合蛋白質をyeast two-hybrid systemを用いて検索し、細胞内のレドックス制御に関与する分子であるチオレドキシンがASK1のN末端部分と結合し、ASK1活性を制御していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Imamura T., Takase,M., Miyazono,K., et al.: "Smad6 inhibits signalling by the TGF-β superfamily." Nature. 389・6651. 622-626 (1997)

  • [文献書誌] Heldin,C.-H., Miyazono,K., and ten Dijke P.: "TGF-β signalling from cell membrane to nucleus via Smad proteins." Nature. 390・6659. 465-471 (1997)

  • [文献書誌] Nakao,A., Imamura,T., Miyazono,K., et al.: "TGF-β receptor-mediated signalling through Smad2,Smad3 and Smad4." EMBO Journal. 16・17. 5353-5362 (1997)

  • [文献書誌] Suzuki,Y., Watanabe,T. et al.: "HAX-1,a novel intracellular protein,localizes on mitochondria,directly associated with HS1,a substrate of Src-family tyrosine kinases." J.Immunol.158. 2736-2744 (1997)

  • [文献書誌] Endo,T.A., Miyazaki,T., Yoshimura,A. et al.: "A new protein contaning an SH2 domain that inhibits JAK kinases." Nature. 387. 921-924 (1997)

  • [文献書誌] Fukuda,T., Yoshida,T., Tokuhisa,T. et al.: "Disruption of the Bel6 gene results in an impaired germ inal center formation." J.Exp.Med.186. 439-448 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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