ゲノムの生物知識情報

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08283103
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 金久 實 京都大学, 化学研究所, 教授 (70183275)
• 研究分担者: 森 浩禎 奈良先端科学技術大学院大学, 遺伝子教育研究センター, 教授 (90182203) ; 阿久津 達也 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (90261859) ; 久原 哲 九州大学, 農学研究科, 教授 (00153320) ; 宮野 悟 東京大学, 医科学研究所, 教授 (50128104) ; 高木 利久 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30110836)
• キーワード: ゲノム解析 / 遺伝子機能予測 / タンパク質立体構造予測 / データベース / ネットワーク / 分子間相互作用 / パスウェイ / 遺伝子疾患

研究概要

国際的なレベルで進行中のゲノム解析計画は、ヒトからバクテリアまで各生物種の全遺伝子と遺伝子産物(タンパク質、RNA)のカタログを作り出しつつある。本研究計画は、ゲノム解析がもたらす配列情報をもとに生物学・医学の知識を体系化することを目的とし、機能予測をはじめとした情報処理技術の開発と、分子間相互作用ネットワークのコンピュータ化など新しい知識ベースの構築を行っている。今年度の主な研究成果は以下の通りである。(1)生命現象のシステム的な側面を分子反応のパスウェイあるいは遺伝子発現制御のパスウェイとしてデータベース化する生物情報ネットワークの研究では、KEGGおよびSPADデータベースの構築を断続し、パスウェイ再構築による機能予測や、シグナル伝達のシミュレーションを行った。(2)広く生物学・医学の知識を体系化するため、文献中のテキストから特定の知識を抽出する技術を開発し、とくにタンパク質名辞書の作成を行った。また、遺伝子疾患に関するデータベースの構築も継続した。(3)ゲノムの塩基配列から遺伝子領域を予測し、遺伝子とタンパク質の機能を予測するための情報処理技術の開発を継続した。とくに、データマイニング技術による配列モチーフの意見、隠れマルコフモデルによる遺伝子領域予測を中心に、実用的なシステム開発を行った。なお、本研究の成果はゲノムネットサービス〔http://www.genome.ad.jp/)として国際的に提供している。

研究成果

• [文献書誌] Kanehisa, M.: "Linking databases and organisms : GenomeNet resources in Japan." Trende Biochem Sci.22. 442-444 (1997)
• [文献書誌] Fujibuchi,W., Goto,S., Kanehisa,M.他: "DBGET/LinkDB : an integrated database retrieval system." Proc.Pacific Symposium on Biocomputing'98. 683-694 (1997)
• [文献書誌] Ohta,Y., Yamamoto,Y., Takagi,T.他: "Automatic construction of knowledge base from biological papers." ISMB. 5. 218-225 (1997)
• [文献書誌] Miyano,S.: "Genome Informatics : new frontiers of computer science and biosciences." Cooperative Databases and Applications. 12-21 (1997)
• [文献書誌] Tsukamoto,Y., Takagi,T., Kuhara,S.他.: "Application of a deductive database system for topological and similar three dimensional structures in protein" CABIOS. 13. 183-190 (1997)
• [文献書誌] Akutsu,T., Onizuka,K., Ishikawa,M.: "Rapid protein fragment search using hash functions based on the fourier transform." CABIOS. 13. 357-364 (1997)
• [文献書誌] Miyano,S. and Takagi,T.: "Genome Informatics Workshop 1997" Universal Academy Press,Inc., 365 (1997)