研究課題/領域番号 |
08300011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | (財)日本生物科学研究所 |
研究代表者 |
山内 一也 財団法人日本生物科学研究所, 主任研究員 (30072888)
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研究分担者 |
宮本 勉 長崎大学, 医学部, 教授 (10004582)
小野寺 節 東京大学, 農学部, 教授 (90012781)
北本 哲之 東北大学, 医学部, 教授 (20192560)
立石 潤 九州大学, 名誉教授 (70033305)
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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キーワード | プリオン / クロイツフェルト・ヤコブ病 / スクレイピ- / 伝達性海綿状脳症 / 牛海綿状脳症 |
研究概要 |
プリオンの基礎的研究として、大別してモデル動物解析とプリオン蛋白の遺伝子および蛋白の解析を行った。モデル動物解析では、従来の野生型マウスへの伝播実験に加えてノックアウトマウスでの解析、遺伝性海綿状脳症モデル解析、リスザルを用いた感染実験をおこなった。 主な成果として、以下のようなことが明らかになった。ノックアウトモデルでは、行動解析の結果long term memoryが、野生型マウスに比べて低下していることが明らかとなりプリオン蛋白が記憶のメカニズムにも関わっていることが明らかとなった。また、スクレピ-羊からの感染実験で、羊PrPの遺伝子型に関わりなく、プロテアーゼに比較的感受性のプリオン蛋白のほうがマウス伝達時の潜伏期が短く、発症したマウスの異常プリオン蛋白も、プロテアーゼに比較的感受性であった。この結果はもとの異常プリオン蛋白の性質が、hostを変えても保存されることを示すものと考えられる。 そのほか、新しいモデルとしてヒト型のトランスジェニックマウスの作成に成功しこのマウスでは、プリオン蛋白の高発現がえられており、さらにヒツジ型およびウシ型のトランスジェニックも作成中である。プリオン蛋白遺伝子に関しては、codon 219Lysの正常多型が日本人の12%にみられるが、この多型はCJDではほとんどみられずCJD発病の阻止因子として働いている可能性が示唆された。プリオン蛋白のglycosylationに関しても研究が行われ、ウシ型のin vitroの発現系が開発された。
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