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1997 年度 実績報告書

動物の伝達性海綿状脳症の分子病態

研究課題

研究課題/領域番号 08300011
研究機関(財)日本生物科学研究所

研究代表者

山内 一也  財団法人日本生物科学研究所, 主任研究員 (30072888)

研究分担者 芹川 忠夫  京都大学, 医学部, 教授 (30025655)
小野寺 節  東京大学, 農学部, 教授 (90012781)
北本 哲之  東北大学, 医学部, 教授 (20192560)
立石 潤  九州大学, 名誉教授 (70033305)
品川 森一  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
キーワードプリオン / クロイツフェルト・ヤコブ病 / スクレイピ- / 伝達性海綿状脳症 / 牛海綿状脳症
研究概要

動物モデルを中心としたプリオン病の分子機構に関する研究が著しく進展した。またクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者およびスクレイピ-羊の遺伝学的解析からプリオン遺伝子の発病への関与についての研究も行われた。主な成果は以下のとおりである。
プリオン遺伝子ノックアウトマウスとしては2系統が本研究班で作成されている。1系統では神経軸索の萎縮が見いだされ、またもう1つの系統では歩行障害、知覚情報処理の欠損が見いだされた。これらはプリオン蛋白の機能を示唆する重要な所見である。また、このノックアウトマウス由来のプリオンレス細胞では無血清培地での細胞死が見られ、情報伝達系の異常が推測された。一方、GFAPのノックアウトマウスが作出され、スクレイピ-感受性であることが示された。これはGFAPがプリオン病の発病に直接は関わっていないことを示唆している。GFAPとプリオン蛋白の両者の関わりを知るために、両蛋白遺伝子を欠損するダブルノックアウトマウスの作出が進められている。
CJD患者のプリオン蛋白遺伝子解析では、孤発CJD患者すべてでプリオン蛋白遺伝子コドン219Glu/Gluであった。これはLysタイプがCJD発病を防ぐ新しい遺伝因子であることを示している。スクレイピ-羊ではコドン136が感受性に関わるが、さらに未知の要因も関わっている可能性が示された。その有力候補の1つとしてアポリポ蛋白Eの遺伝子型について検討したところ、この遺伝子の関与は見いだされなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 北本哲元: "Thalamic form of Creutzfeldt-Jakob disease or fatal insomiareport of sporadic case with normal prion protein genotype" Acta Neuropathol.93. 317-322 (1997)

  • [文献書誌] 北本哲元: "Typing prion isoforms" Nature. 386. 232-233 (1997)

  • [文献書誌] 品川森一: "Alternative usage of exon 1 of bovine PrP mRNA" Biochem.Biophy.Res.Commun.233. 650-654 (1997)

  • [文献書誌] 品川森一: "Sensitive enzyme-linked immunosorbent assay for detection of PrPSc in crude tissue extracts from scrapie-affectedmice" J.Virol.Methods. 64. 205-216 (1997)

  • [文献書誌] 立石潤: "Amyloid beta protein 1-40 but not beta 1042 contributes to the experimental formation of Alzheimer disease amyloid fibrils" J.Neurosci.17. 8187-8193 (1997)

  • [文献書誌] 宮本勉: "Impaired motor condination in mice lacking prion protein" Cell.Mol.Neurobiol.Inpress. (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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