研究課題
近年、レーザー光の発生、制御、利用に関する科学が飛躍的な進歩を遂げつつある。量子力学的な理論限界に相当する極限的な性能を有する「理想的な光」の発生を比較的に容易に実現し得ることが示され、光の応用範囲が急速に広がりつつある。21世紀には基礎科学の新展開及び新産業創出への展開において、レーザー科学は重要な研究分野として発展する可能性がある。我が国の大学に於けるレーザー科学研究は、諸大学に属する講座単位の研究室及び阪大、電通大の研究センター等において実施され、世界的な成果が挙げられてきた。近年、科学研究費の増額、競争的研究資金の導入によりレーザー科学研究は新たな発展を遂げつつある。他方、原研に関西研究所が設置され超短パルス・超高出力レーザーを用いた光量子科学研究がH7年度に発足し、レーザー科学に関する基礎的な研究機関として大学との研究交流が求められている。光通信、光情報処理を中心とする光産業分野では我が国は世界的に第一線にあるが、レーザー・応用機器全般に関しては、大学研究者との交流による産業の活性化が求められている。また、研究者養成の面から、大学における光科学教育の見通しと強化が求められている。本研究では、大学におけるレーザー科学研究体制を整備し、科技庁等の研究機関、産業界との連携を強化し、レーザー科学研究を通じて我が国の科学技術の発展に寄与するために、レーザー科学ネットワークについて検討を行い、その必要性、役割、形態等について検討を行った。
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