研究課題/領域番号 |
08301001
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
応募区分 | 総合 |
研究機関 | 青森公立大学 |
研究代表者 |
鬼頭 秀一 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (40169892)
|
研究分担者 |
林 浩二 千葉県立中央博物館, 教育普及課, 学芸研究員 (20250128)
井上 有一 奈良産業大学, 法学部, 助教授 (50203261)
横山 輝雄 南山大学, 文学部, 教授 (80148303)
森岡 正博 国際日本文化研究センター, 助手 (80192780)
桑子 敏雄 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (30134422)
|
キーワード | 環境哲学 / 環境倫理 / 人間-自然系 / STS / 環境的公正 / 生命学 / 行為論 / 所有論 |
研究概要 |
本研究は、学際的な分野の研究者による相互討論による理論的深化を大きな目的にしているが、初年度である本年度は、研究メンバーによる研究会を3回、外部の専門家を招いての公開研究会を1回開催した。 研究メンバーによる研究会においては、環境哲学の枠組みをさぐるために学際的な研究の観点からワークショップを行い、従来の環境哲学を越える枠組みを構想するために必要な概念や問題などが、集中的、徹底的な形で検討された。その中でも、人間と自然との関係性の枠組みの問題、従来の西洋近代哲学の問題点、科学哲学の基本枠組みとの関係、非西洋社会の文化などにも射程を広げた多元的な価値のあり方、社会的公正の問題も不可分に論じられる社会哲学の視座、環境教育という実践的な課題にからめることが出来る実践性の視点、日本や東洋における伝統的価値観や思想的枠組みの検討などが中心的な問題として議論されて来ている。 そのような相互批判的な作業を踏まえて各自の研究を進展させ、それぞれが、科学技術論研究会などの合同研究会、日本科学史学会生物学史分科会、日本哲学会など、さまざまな外部の研究集会での研究成果の発表を行い、その結果を再び研究メンバーによる研究会に持ち帰り、それを深化、発展させた。 上記の中心的問題のいくつかに密接に関係している主題として、「生活環境主義」を検討するため、外部の専門家を招いた公開研究会を開催した。特に研究代表者の鬼頭が研究成果の一つとして提唱している「社会的リンク論」を対比的に考察し、外部専門家やメンバー以外の参加者を含めた徹底した議論と批判を行い、メンバー内での議論をさらに深化させた。この結果、人間と自然との関係性を中心とした理論を、多様な形で相互に発展させていくことの必要性だけでなく、その問題には、社会的公正の視点も踏まえた形での動的な文化論的な視点が欠かせないこと、所有論の検討が必要なことが確認された。
|